「原宿の一丁目」と言われると、原宿駅前・竹下通り沿いかと思ってしまいますが、ここ原宿一丁目公園は、駅からは徒歩15分くらい離れた外苑西通り沿いにあります。
そもそも、かつては町名としての「原宿」があったのですが、1965年(昭和40年)に住居表示が導入された際に「神宮前」に変更されたため、今は、この公園も竹下通りも原宿駅も、町名としては神宮前に含まれています。ですので、旧町名を残した公園名の一例だと言えます。
区立公園としての面積は160平米で、下写真で白基調のタイル張りになっている部分だけなのですが、マンションの公開空地と一体となっており、実際に利用できる範囲は、その10倍くらいあります。
「公開空地」は、建築基準法の特例のひとつ総合設計制度でつくられるオープンスペースで、大きな建物を建てる際に一般の人が自由に出入りできる公開空地を設ければ、代わりに建物の高さや容積の制限が緩和されるものです。
ここの場合は、マンションを建てた業者が公園も公開空地も一体的に整備しているので、外観的なトーンが揃っているのですが、とは言え日常の管理は分かれているので、やはり公園部分は管理手間が少なくなるようにスッキリしていて、公開空地の方が緑や花が多くなっています。
このあたりの、急に植物が多くなるところから先が公開空地ですね。
このブログは都市公園について書き留めるという趣旨なので、民間のオープンスペースはあまり触れないようにしているのですが、ここまで一体的だと、踏み込んでみたくなります。
で、入ってみると、こんな感じですね。
軽く武蔵野風というか、明るい雑木林のイメージで作られた小さな林があります。
でもそこを出ると、座って憩うというよりは、自らがアートの一部になるためのような配置のイスがたくさん並んでいました。
これなんかも、子供たちならよじ登って遊具代わりにしますが、大人がここに一人で座っていると、ちょっと変な感じに見えます。
かと言って、二人が寄り添って座っていると、もっと変だしなぁ...
空間としてはオープンなのですが、公園のように誰もが使いやすいようにしているわけではないので、イスについては、どこに座っても落ち着かない感じです。
本体のビルが商業・業務ビルなら、また違った感じになるのですが、ここはマンションですので、本心では、あまり長居をして欲しく無いと思っているのかも知れません。
図らずも、公園の良さを再確認した原宿一丁目公園でした。
(2025年1月訪問)
こちらの公園は昔からあった訳ではなく、都市計画法の開発行為によって生まれた比較的新しい公園だったかと記憶してます。
返信削除ブログ作者です。情報提供ありがとうございます。
返信削除現状は開発提供公園+公開空地という形になってますが、こうした場合、以前からあった公園のリニューアルで公開空地と一体化させることもあるため、開発以前の状態がわからず色々と調べていました。
まだ新しい公園であれば、やっぱり「旧町名保存型」の命名なのですね。
これでスッキリしました。ありがとうございます。