杉並区の松庵(しょうあん)は区西南部の地名・町名で、JR西荻窪駅の西南一帯に当たる住宅地区です。江戸時代に付近の新田開発をしたお医者さんだかお坊さんだかの名に因むものだそうで、いまも住宅地の中にちらほらと農地が残っています。
そんな町にある松庵公園。背の高いフェンスに囲まれたボール遊び場がある小公園です。
ちなみにこのボール遊び場は、杉並区の用語では“球戯場(きゅうぎじょう)”と呼ぶそうです。ヨーロッパの歴史ではたまに出てきますが、日本ではあまり聞かない言葉です。
まさしく文字通り、ボール遊びのための施設で、野球やサッカーなどの技を磨くような使い方はダメということなのでしょう。
球戯場の横には、屋根の形と壁面のタイル装飾に特徴があり、フクロウ博士タイプと呼んでいるトイレもあります。
杉並区内でいくつも見かけるのですが、公園によってタイル装飾の柄が少しずつ違っているところも魅力です。
それらを除けば、滑り台、ブランコ、砂場、鉄棒などがひと通り揃った児童公園タイプですので、広場部分がまるごと球戯場になっているような格好です。
ブランコや鉄棒は、少し球戯場のフェンスに近すぎるかも知れません。
あとは、砂場がいいですね。
柔らかい曲線を取り入れた外周、砂場内の遊び台や1辺にだけつくられた小さなプレーウォールは、砂を載せて遊んだり、幼児の立ち上がりを補助したりしますし、周りには親御さんが座れる木陰のスツールもあり、小さいけれど使いやすくするアイディアが充実しています。
そして、南側の住宅との間は軽く盛土をして林を仕立てているのですが、そこに擬木の木登り遊具が隠れています。
少し樹皮の様子が異なるものが、もう一本。まったく同じものを2つにしないところが、林に溶け込ませる擬木として優れています。
この柵はなんでしょう。場所からして車止めではないし、ケヤキを守っているわけでもなく、自転車止め(自転車置場)でしょうか。
なお、この公園を訪ねたのは2024年(令和6年)10月だったのですが、その後11月から工事に入り、翌3月までに球戯場が建て替えられるというお知らせがありました。
きっと今頃は、違った姿になっているはずの松庵公園でした。
(2024年10月訪問)
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