No.3902、3903で登場した尼崎市の地名・常光寺は、いまもある浄光寺という寺院にちなむものだそうです。その浄光寺の道向かいの街区に、小さな奥の防公園があります。
お寺にちなむ土地に「奥の坊」であればピッタリとくるのですが、「坊」ではなく「防」。でも地名で使われる漢字は、その時々に当て字されたりすることも多いので、どこかで変わってしまったのかも知れません。だいたい、お寺の漢字も変わっていますし。
尼崎市発行の『尼崎の地名』(1985年)には、小田地区常光寺の小字として「奥ノ防」が収められているのですが、尼崎市のHPに公開されているいくつかの地図で見ると、地図・時期によって「坊」だったり「防」だったりするので、1978年に公園が開設された時に、「当時の地名標記に沿って”防”を使った」のか、あるいは「古い地名標記を残すために”防”を使った」のかは分かりません。
![]() |
尼崎市HPに掲載の最新尼崎市街地図(1951年)より |
![]() |
尼崎市HPに掲載の尼崎市全図(1972年)より https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/op_data/1000918/1000974.html |
とまぁ、好事家がそんなことに悩んでいるのとは関係なく、現在の公園。
四方を道路に囲まれた1,000平米足らずの小さな敷地ですが、園内の四辺ともに、そこそこ幅のある植栽がされているので、利用可能な部分は、さらにコンパクトに見えます。
その中心にあるのは、本ブログでは軟体動物タイプと呼んでいるコンクリート製の滑り台。
それほど大きくないボディに、3本の滑り台が収納されているすぐれものです。
もちろん滑り台として楽しいのですが、ブログ作者は、このゆるく弧を描く回り階段も結構好きなパーツです。子どもの目線の高さだと、一歩一歩進むたびに違った景色が見えてくるところが、楽しそうなのです。
この滑り台の両側に、吊橋状のグラグラ歩く遊具が置かれています。
幼児のバランス感覚を育むには良いですが、今の感覚だとそこまで人気が高い遊具だとも思いにくいので、色違いで2つも置かれていることが新鮮です。きっと昔はすごく人気のある遊具だったのでしょう。
そのほかには、4連ブランコや回らない回転ジャングルジム、ステップ遊具などがあります。
足元に止め棒が付け加えられて、回れなくなって久しい回転ジャングルジム。今はジャングルジムとベンチとの役割を果たしています。
でもパーゴラ&ベンチもあって、座るところはわりと豊富な園内です。
パーゴラの横には、区画整理の記念碑も。この台座なども、子どもたちがヒョイと腰掛けるには良い場所です。
ちなみに、おそらく開園当時に付けられたと思われる園名板は「奥ノ防」、園内の現役看板は「奥の防」と仮名づかいが異なっており、なかなか正式名称にたどり着かない奥の防公園でした。
(2024年10月訪問)
0 件のコメント:
コメントを投稿