尼崎市の西川公園は、昭和中期までは東洋紡の大工場があった土地の一部で、工場が廃止された後に、交差点に近い一角だけを市が買収して公園にしたものです。
もともと、工場時代に植えられた樹が大きく育っていた場所を選んで買収したそうで、その緑が残されています。
公園のすぐ横の歩道橋から見ると、年齢を重ねた樹々のボリューム感がよく伝わってきます。
また、樹木の間には、工場施設の基礎なども残されており、ちょっとした産業遺産公園にもなっています。
公園になる少し前の1966年(昭和41年)の空撮で、林の右端の方に円形の水槽が2つ並んで見えていますが、尼崎市の資料によれば、これの基礎が公園内に残っているのです。
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国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より/整理番号:MKK664/ コース番号:C4/写真番号:12/撮影年月日:1966/06/15(昭41) |
でも基礎だけなので、写真にするとちょっと分かりにくいですね。
そこを避けるように樹が植えられているので、現地ではもっとよくわかったのですが。
園内は、敷地の半分くらいを範囲を林が占めており、木陰で遊ぶことができます。秋冬になれば、落ち葉を踏みしめて歩くこともできるでしょう。
樹木同士の間隔が狭めなので、かなり密な林だという印象です。
西端に、林を避けるように遊具やトイレなどが置かれています。
遊具は滑り台と4連ブランコくらいで、公園そのものの広さからすれば少なめです。
それはやっぱり、緑を残すことを中心に考えられた公園だということなのでしょう。
できれば注意看板にも、「樹木を大切に」を入れて欲しい西川公園でした。
(2024年10月訪問)
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