横十間川(よこじゅっけんがわ)は、江戸時代初期の17世紀に開削された運河で、元々は、その名の通り十間(約18メートル)の川幅があったのだろうと思います。
今は広いところでは幅40メートルくらいある一方で、逆に全体が埋め立てられている箇所などもあって一律ではないのですが、埋め立てられた部分や堀の両岸が公園や緑道になっています。
江東区役所に行ったついでに、すぐ北側の川沿いに行ってみると「横十間川親水公園」と園名板が立っていたのですが、実際は他の公園や緑道と交差していて、親水公園の正確な区域はよくわかりません。とりあえず歩いた範囲で、見たものを書き残してみます。
区役所にほど近い、流れとしては最下流のあたりから園内に入ってみると、いきなり排水施設があります。
下水処理水を排出しているのだろうと思いますが、轟々と白く泡立ちながら湧き出る様子は、うっかり落ちるとひどい目に合いそうで、公園内としては少しインパクトが強いものです。
その横手にちょっとだけ遊具が置かれていますが、その先の園路沿いは、都市緑化植物園にあるような生垣見本園になっています。
都市に潤いを与え、防災にも役立つ生垣ですが、実際に身近に無いとできあがりがイメージし辛いものです。そこで、よく使われる植物を実際に植えて生垣に仕立てて射るのが、生垣見本園です。
イヌマキ。細長い常緑の葉がびっしりと密集するので、防風などにも役立ちます。
つやがあり緑濃い葉なので、少し重いイメージになるかも知れません。
イヌツゲ。細かい葉が密に生え、日本庭園や公園でもよく使われます。
剪定して形を整えるとトピアリーなどに良いのですが、少し放っておくと、すぐにボサボサになります。
トキワマンサク。葉色が緑のものと赤っぽいものがあります。ここでは、ややボサボサになっていますが、刈り込んで整形してもよく育ちます。
生垣が途切れたところに「江東区植物保存区」という看板がありました。どうも今まで眺めていた生垣の裏側がビオトープになっていたようです。
しかし生物優先のスペースと位置づけられているのか、園路からは眺めることもできません。きっと観察会の時くらいしか入れないような運用がされているのでしょう。
ビオトープの道向いは、3枚の田んぼになっています。
こちらは「田んぼの学校」として、ボランティアの皆さんと一緒に米作り体験ができるようです。
年間スケジュールをみると、4月の入学式や田起こしから、9月の稲刈り、11月の卒業式まで、1年を通じて米作りを体験できるようです。
さらに進むと、立派なアーチ型のパーゴラを使った公園門がありました。
舗装された広場やトイレ、記念碑なども集まっているので、ここが公園のメインエントランスに当たるようです。
菖蒲池の最上流には、水車小屋がありました。
水車は木造、小屋は茅葺きの外観で、周りには竹藪まであって、急に風情が増してきます。
そこからさらに北へ進むと、仙台堀川(仙台堀川公園)との交差点に出ます。ここに渡ることが出来ない島が作られていて、野鳥の生息場になっています。
ただ、ゴイサギ、コサギなどのコロニーが少々過剰になっているようで、樹木の葉が真っ白になって枯れ始めているところもありました。
ほかに鳥が行くところも少ないから仕方ないのですが、公園の景観としては、枯木が目立つのは悩ましいところです。
島から少し北に進み、ボート乗り場がある当たりで、この日はお終い。堀川や公園・遊歩道はまだずっと北の方へと続いています。
東京といえばカッパ。小島功から安齋肇へと時代は移っても、それらとはまったく別デザインのカッパが佇む横十間川親水公園でした。
(2023年4月訪問)
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