小樽市の町名・色内(いろない)は、町域がかなり広く、小樽運河に面した元・海岸沿いはほぼ含まれるのですが、その中でも中心にあたる色内大通りに面したところに“色内よい子の遊び場”があります。
小樽市の公園緑地に関係する計画では、ここもNo.3984 小樽中央小公園やNo.3985 手宮線跡地と同じように、「その他」に分類されています。
だからと言って、園内にすごく特別なことがあるわけでもなく、中身はブランコやシーソーがある普通の児童公園タイプ。
あえて言えば、坂道に沿って東西にやや細長い敷地を、上下2段に切り分けている敷地が特徴的です。
この段差なのですが、その作りが公園としては不自然というか、元は上下に建物があったところを除去したようなつくりに見えます。
そう思ってあたりを眺めていると、同じ坂道に沿って、ここと同じように細長い敷地の空地や建物が続いていることに気づきました。
国土地理院の“地理院地図Vector”で、気になった範囲を切り出してみます。
赤丸印が公園なのですが、その東隣の駐車場の空地や、西の稲穂3丁目あたりの細長い建物(中央市場)など、かつては市街地の中を貫くように、通常の道路の3~4倍くらいの幅広の用地が続いており、それが不要になったために公園などに転用された様子が見て取れます。
こういう不自然な土地利用は、川か鉄道の跡地か、そうでなければ戦時中の建物疎開だと相場が決まっているもので、調べてみると、ここの場合は後者の建物疎開のようです。
さて再び園内。
上下2段に分かれた園内は、上下ともに遊具が置かれ、サクラやイチョウなどの樹々に囲まれています。
遊具そのものには、特段の特徴はなく、わりと標準的なものが多く並びます。
運河に近い小樽市街地は、古くから開発が進んで緑やオープンスペースが少ないので、名前はずっと「よい子の遊び場」ですが、いまは植物を通じて四季の移ろいを感じる大人が訪ねてくることの方が多いようにも思います。
紅葉や桜の時期は、意外に外国人観光客にも人気ではないかと思う色内よい子の遊び場でした。
(2024年10月訪問)
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