3284/1000 北仲通北第一公園、第二公園、第三公園(横浜市中区)

2023/04/14

横浜市中区 港にある公園 神奈川県 盛土山 発祥の地

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横浜の桜木町駅から港の方にちょっと歩き、再開発で横浜市役所が移転した道向いあたりが北仲通です。
もともとは横浜港に面して生糸検査所や倉庫などの古い建物が建ち並んでいたのですが、最近は再開発が進み、対岸のみなとみらいや新港地区ともひとまとまりになって、観光やイベントの面でも盛り上がっているエリアだと言えます。

桜木町から新港方面に行くには、かつての鉄道敷跡の汽車道を歩くか、その上空を飛んでいくロープウェイ・横浜エアキャビンに乗るかが定番なのですが、第3のルートとして北仲通を経由する水際線プロムナードというのもあって、これ沿いに3つの小公園が設置されています。

案内図は第三のものですが、記事は第一から順番に。
大岡川の河口付近に架かる北仲橋を渡ると、左手に古めの護岸があり、その角が北仲通北第一公園ということになっています。

公園の正面入口からの景色は、こんな感じ。
公園は小さいのですが、エアキャビン、汽車道、日本丸、ランドマークタワーなど、このあたりの名物が全部視界に入ってくる構図になります。

園内に入るとこんな感じ。
橋の路面の高さからプロムナードまで2メートルくらいの高低差があるので、バリアフリー園路で敷地の大半が持っていかれているような構造です。

ここには「灯台発祥の地」という解説板があります。
県や市の文化財担当や観光担当ではなく、灯台事業の元締である海上保安庁が設置しているのですが、見出しと文章の内容が少し食い違っているように感じます。

■現地の解説板より「灯台発祥の地」
交易船舶の安全のため、西洋諸国から灯台の建設を求められた明治政府は、外国人技師を招聘し、明治2年に灯台事業を担う役所として「燈明台(とうみょうだい)局」を、更に、明治7年には「燈明番(とうみょうばん)」(いわゆる灯台守)の教育及び建設する灯台の試験調整を行うための「洋式試験燈台」を、ここ、横浜元弁天 (現在の中区北仲通6丁目)に設置しました。「洋式試験燈台」の完成時には、明治天皇、皇后両陛下の行幸啓を仰ぐ栄誉にも浴した由緒ある地でもあります。
「燈明台局」は、昭和23年、海上保安庁燈台局として東京に移転しますが、それまでの約80年にわたり、日本の灯台事業を全国展開し、また、最先端の西洋技術を習得した多くの灯台守を全国へ送り出すなど、まさにこの地を起点として、我が国海上交通安全の礎が築かれていきました。
この地が日本の近代化に大きく貢献した灯台事業発祥の地であることを後世に伝え、また、先人の偉業を称えるため、「洋式試験燈台」基礎として使用していた当時のレンガをその証とし、記念碑を設置します。
平成27年3月 海上保安庁第三管区海上保安本部

そのまま読むと、この地に1869年(明治2年)に設けられたのは役所であって灯台ではなく、5年後の1874年(明治7年)になって教育施設としての洋式試験燈台が建てられたということですが、日本最古の洋式灯台は1869年に東京湾の入口に建てられた犬吠埼灯台なので、ここの灯台が初ではありません。
「役所がなければ犬吠埼灯台も建たなかった」という理屈で発祥の地としても良いのですが、海上保安庁が定める”灯台の日”のHPには、観音埼灯台の起工は1868年(明治元年)11月1日だと書いてあり、ここに役所が建つ前から工事は始まっているので、どうにもしっくりきません。
もちろん「発祥の地」という言葉の定義はないので言ったもの勝ちなのですが、解説板の見出しは「灯台発祥の地」なのに、解説文では「灯台事業発祥の地」になっているあたりからして、読む人を迷わせる難解な文章です。この難解さは、”海の日”発祥の地を名乗るNo.850 聖徳公園以来かも知れません。

と、解説板の悪口を書きましたが、おそらくこれが「当時のレンガ」なのでしょう。
この位置に灯台があったのだとすれば、北仲橋から眺めた古い護岸も燈明台局時代の護岸ではないかと考えてみますが、それについては特に触れられていませんでした。

ここから、東の方へとプロムナードが始まります。たぶん途中で舗装が切り替わるところで、公園とプロムナードが分かれているのでしょう。

200メートルほど歩くと、また舗装が切り替わって、北仲通第二公園に着いたことを知らせてくれます。

ここでは公園とプロムナードに加えて、隣に建つ結婚式場が管理していると思われる緑地も一体化しており、3つの公園の中では、いちばんまとまった空間が取られています。

ベンチも多くので、散歩の合間の休憩や、夜景撮影などにも良いポイントではないかと思います。

さらに児童公園の要素も備えており、登って楽しい盛土山と、グネグネのジャングルジム的遊具が置かれています。

こういう場所にあると、曲線を多用したグネグネ遊具が現代アートの展示にも見えてきます。

そこからさらに200メートルほど歩いて、最後に第三公園。万国橋のたもとにあります。

ここはすぐ横までホテル敷地が迫っていますが、そちら側に歩行者を流して、植栽帯とフェンスとの間の狭いところはベンチを並べて小ぢんまりと落ち着ける空間配置にしています。

ここに席を確保してしまえば、前や後ろを歩く人を気にせずに寛げるのではないでしょうか。

どこをとっても画になるので、逆にブログ作者の写真技術の低さが目立ってしまう北仲通北の3つの公園でした。

(2023年1月訪問)

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