3283/1000 象の鼻パーク(横浜市中区)

2023/04/13

横浜市中区 港にある公園 神奈川県 鉄道遺産

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昨日はNo.3282 豊楽公園でウサギの鼻について触れましたが、本日は象の鼻の公園です。

「象の鼻」は、1859年に横浜港が開港した時に初めてつくられた波止場の愛称です。細かく言えば、つくった時は直線的だった波止場が8年後の1867年に改修されて、弓なりになったことで「象の鼻」と呼ばれるようになったそうです。
象の鼻に見えるかどうかは、現地の解説板の図でご覧ください。

ただ、開港以前の地形として、横浜港付近は南から北へ伸びる砂州に囲まれた内海形状になっており、この砂州の突先が「象の鼻(あるは象ケ鼻)」と呼ばれていたとする資料もあります。
開港・都市形成によって変化していくうちに、元々の象の鼻はなくなってしまい、その呼び名が新しくできた波止場に移っていったというのが真相ではないかと思うのですが、なにぶん160年以上も前の話なのでよくわかりません。

国土地理院所蔵 伊能大図彩色図より

それはさておき、波止場としての象の鼻は、関東大震災で大きな被害を受けて改修されたり、港が大型化・近代化していく中で主力から外れたりして21世紀を迎えるのですが、横浜開港150周年事業の一環として波止場が明治中期の「象の鼻」時代の形に復元され、周りも公園として整備されてできたのが、現在の象の鼻パークです。

園内は大まかに石張り舗装された開港波止場、飲食施設と一体となった開港の丘、史跡的な価値がある象の鼻防波堤とに分かれます。
まずは開港波止場。神奈川県町から道を渡って園内に入ると、こんな景色になっています。

この広場は、イベント等に使えるスペースであるとともに、開港からの歴史を偲ぶような演出がされています。
その演出のひとつ、なんとなく象の鼻防波堤と対になるような曲線を描きながら数十個並べられたスクリーンパネルで、モニュメントであり、夜間照明を兼ねた演出のためのアイテムなのですが、

よく見ると、横浜港に関わった技術者や政治家たちの功績が記されています。

でもまぁ、かなり顔を近づけないと読めないような小さな字で書かれているので、先にまずパネルを建てたいという欲求があって、あとからおまけで偉人パネルをくっつけたような気がします。

偉人が付いていないパネルもたくさんあることからも、そのあたりの経過が推察されます。
もっとも、港に関わる偉人はこれからも登場するかも知れないので、その人たちのために場所を空けてあるという考え方もできます。

ほかにも、公園整備中に出てきたという転車台や、開港からの経過が書かれた解説板なども展示されています。

とくに、この解説板は大きくて読み応えがあります。

この写真が、かつての象の鼻の様子をよく表しているように思います。
撮影は1910年(明治43年)なので、冒頭の平面図からさらに改造されていますが、右端の2階建ての煉瓦造の建物よりも高い位置から撮影されているので、湾曲の具合がよくわかります。

こちらは現在。だいたい同じ方向を向いているのですが、地上に立って撮影しているので、どこが防波堤なのかもよくわかりません。
やっぱり高いところから見ないと象の鼻っぽくはないなぁ。

仕方がないので、復元された象の鼻防波堤の付け根のあたりまで行ってみます。
う~ん、まぁ確かに細長く湾曲しているので、象の鼻と言われればそうかなぁくらいな感じです。

護岸部分は、復元工事の時に出土した関東大震災前の石積みが一部使われているそうで、解説サインもあったのですが、具体的にどれがそれなのかはよくわかりませんでした。

わからないと言えば、開港波止場から防波堤へ向かう途中に、周りよりも1メートルくらい沈降した立入禁止の区域がありました。下写真の中心部がそれなのですが、少々気になります。
おそらく、古い時期に使われていた波止場の突先で、だんだんと沈降して使われなくなり、右側に端のような形で新しい地面を作ってそこを波止場にし直したのだと思うのですが、沈んだのなら上から土を被せて埋めてもいいし、新しい地面を作るならその時に隙間をなくしても良かっただろうと思うのです。
しかし、そうしていないということは「ここが残すだけの文化財的な意義があるものなのでは?」と考えてみるのですが、見た限りではそこまでとも思えず、結局よくわかりませんでした。

さて、少し戻って開港波止場のあたりから、高架になっている山下臨港線プロムナード沿いに開港の丘を目指します。
このプロムナードはかつての貨物支線の高架を、波止場の水域や道路をクリアしながら山下公園と横浜新港方面を結んでおり、開港波止場付近ではけっこうな高さの障害物にもなっています。
この先ずっとコンクリート構造物を維持し続けることは大変なのですが、少し高い位置から象の鼻防波堤を見るにはちょうど良い場所なので、今後の扱いについては議論があるかも知れません。

この鉄道跡がまた地上部と擦りつくあたりに、海の方に向かって低くなる斜めの盛土をして、大きなテラス状の丘を作っているのが「開港の丘」にあたります。
そんなに大げさな造形ではないですが、とかく平面的なものになりがちの港湾緑地で、遠くを眺められ、逆に下からも見上げて風景に変化を与えられる高低差を作ったことは、大当たりだと思います。

とは言え、丘の高さは3~4メートルくらいで、眺望というには少し物足りないのですが、象の鼻テラスというレストハウスの屋上が緑化されており、そこに登ることができます。

登った頂上はこんな感じ。
三角コーンが並べてあり、どこまで入って良いものか少し迷いましたが、芝生の中に照明も設置されているので、いちおう芝生内も利用可能なスペースのようです。

端っこまで行って、象の鼻防波堤の方向を眺めます。

港周りというのは、用事がない人はあまり近寄らないものなのですが、その雰囲気を大きく変えた象の鼻パークでした。

(2023年1月訪問)

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