No.3003 上北沢公園から南へ300メートルほど離れたところに、将軍池公園があります。
東京で将軍池なので徳川将軍の誰かにちなんだ池なのかと思ったら、まったく思いがけない解説が園内にありました。なんと、百科事典にも載っている有名人・葦原将軍にちなむ池だったとは。
■現地の解説板より「将軍池と加藤山の由来」
この池と築山は、都立松沢病院(大正8年に、東京府巣鴨病院が旧東京府小石川区巣鴨駕篭町からこの地に移転し、東京府立松澤病院となりました)の第五代院長呉秀三のもと、加藤普佐次郎医師、前田則三看護師及び多くの患者によって、屋外作業療法の一環として造られたものです。
大正10年7月から造園作業に着手し、翌年には約8割の工事を終えましたが、完成間近の大正12年9月1日の関東大震災により、築山は、当初の富士山型が崩れ、現在のなだらかな形になりました。
その後、造園作業は再開され、園芸家堀切三郎の指導により、あずまやを配置するなどして、大正15年に完成しました。
この将軍池と加藤山 は、原田治郎の英文の著書「日本の庭園 」JAPANESE GARDENSによって、精神障がい者の造ったすばらしい庭園として広く世界に紹介されました。
将軍池の名は、作業に参加した患者で自称「将軍」葦原金次郎にちなんだものです。また、加藤山の名は作業を指導した加藤普佐次郎医師に由来しています。
「注意」将軍池と加藤山の周囲は病院の敷地のため、立入りはできません。東京都立松沢病院
今は樹が繁っているのでこんもりと大きく見えますが、解説板に印刷されていた昭和初期の写真から判断(転載)すると、加藤山の高さは6メートルくらいのようです。それでも庭園の築山としてはまぁまぁ大きいですけどね。
下写真は、公園からフェンス越しに撮影した病院敷地内の池周り。園路が通っているので、病院関係の皆さんが散策など楽しんでおられるのでしょう。しかし、今も山には登れるのかどうかは不明です。
解説板に注意書きがあるように、将軍池と加藤山は公園に隣接する都立病院の敷地なので、公園からは休憩所のあたりから眺めることしかできません。
自由に行き来ができるのはガチョウだけです。
さて、翻って公園内。さきほどの休憩所のほかには大きな施設のない広場メインの施設内容となっていますが、広場部分は半分が芝生、半分が土敷きと分けられています。
池に連なる樹林の保護のためなのか、あるいは単に歩きやすくするためか、芝生広場から休憩所へと続くデッキ道が作られています。
芝生広場の端にはステージ。
ステージの周りには健康器具がいくつか設置されており、なんとなくラジオ体操その他の健康づくり活動をお勧めしてくる施設内容です。
一方、残りの半分くらいは一般的な土舗装の広場になっています。
訪れた時は犬の散歩や幼児の遊びなどでたくさんの人がいたので、写真は控えめになりました。
冬木立が美しい将軍池公園でした。
(2021年12月訪問)
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