2865/1000 桃原公園(沖縄県うるま市)

2021/10/25

うるま市 沖縄県 身近な公園 石碑めぐり

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宮城島(みやぎじま)の南海岸にある桃原(とうばる)地区は、No.28622863がある平安座島とはダネー水道と呼ばれる幅40~50mほどの小海峡を挟んで向かい合っています。
と言っても、もともとは1km以上離れていたものが、石油基地建設のために浅瀬が埋められて平安座島が目の前まで伸びてきた格好なのですが、今見てもなかなか元の姿は想像できません。

このダネー水道沿いにあった桃原小学校が2012年(平成24年)に統廃合でなくなった跡地に整備されたのが、桃原公園です。
跡地ですけれど、校門の門柱は保存されています。

正門の奥に見えている茂みは、小学校だった頃には正門から校舎玄関へ向かうアプローチ沿いの植栽地だったようで、今もそこに小学校名残の品や、記念碑などがいくつか集まっています。

桃原小学校35周年記念事業の記念碑。もともと宮城島にはNo.2864 宮城中央公園があった宮城集落に宮城小学校があり、1955年(昭和30年)にそこから分離して桃原小学校ができたそうです。
ですので、35周年記念は1990年(平成2年)のはずですが、この記念は1993年(平成5年)に建てられたと記されているので、じっくり時間をかけて35周年事業を進めていたのでしょうか。

ちなみに「とうばる」は、沖縄方言でトウが「平らな」、バルが「原」を意味する言葉に漢字の「桃原」を当てたものだとされ、桃とはとくに関係ないはずなのですが、桃原小学校の校章は思いっきり桃の柄ですね。

桃原小学校では、離島ならではの僻地教育に力を注いでいたようで、記念碑には「体力づくり」、「学校保健」、「虫歯予防」、「視聴覚教育」等々の様々な分野研究の実践や発表の記録が刻まれています。

そして、こちらは学校標語みたいなものでしょうか「世界にはばたけ桃原っ子」と刻まれた標柱。長年に渡って在校生・卒業生を励ましてきたものと思われます。


そしてこれが、閉校の記念碑。校歌が刻まれています。地域の特徴をしっかりと読み込んだ、とてもよい歌詞ですね。

♪緑が島に夜は明けて 大海原の潮の香が
 聖い生命をよぶところ これぞわれらがよき故郷

作曲の田場盛徳 (たば・せいとく)は、社会人のキャリアは音楽教員としてスタートし、後に政治の世界に転じ沖縄県祖国復帰協議会の会長や社会党の沖縄県本部委員長なども努めた人物です。県内各地の校歌を作曲しており、その数は80以上にもなるとか。

さて、学校の思い出の以外の園内の姿ですが、大きな草っぱらと、遊具のある小さな草っぱらの2ブロックがあり、両方をぐるりと一周できる園路が通っています。
だいたい、大きな草っぱらが運動場だったところで、小さな草っぱらや駐車場になっているところに校舎が建っていたようです。

こちらが遊具のある小さな草っぱら。最近に整備された公園だけあって、遊具の周りはしっかりとラバーマットで守られています。

複合遊具は、それほど大きくはありませんが、ウェーブ、パラレル、スパイラルと3本の滑り台を備えており、見る向きによってぜんぜん違った遊具に見えるものです。

大人向けの健康器具もあるのですが、こちらはラバーマットがないので、遠からず草まみれになってしまうことが懸念されます。
こういう施設を入れる部分は、土敷きの方がいいと思うのですが。

学校はなくなってしまいましたが、地区のみんなが集える公園として、これからもあり続けて欲しい桃原公園でした。

(2021年7月訪問)

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