■現地の案内板より「大田黒公園について」
この公園は、大田黒元雄氏の屋敷跡を杉並区が日本庭園として整備し、昭和56年10月1日に開園したものです。
面積は8,972.31平米で、そのうち2,679.63平米は大田黒家から寄付されたものです。園内には、氏の仕事部屋であった記念館や蔵が保存されています。
この記念館は、昭和8年に建築されたもので、当時のものとしては珍しい構造と意匠をもった西洋風の建築物です。
大田黒氏は、47年有余にわたりこの部屋で音楽活動を続けられました。室内には、生前氏が使用されていたピアノや蓄音機などが残されています。
邸宅としての構造を継承しているのか、出入口は北側の瓦葺きの門しかありません。
門そのものは、それほど大きくもないのですが...
そこを入ると、立派なイチョウ並木が数10メートルに渡って続きます。まるで神社の参道のようで、とても個人のお宅とは思えないエントランスです。
これ本当に、邸宅時代のものなのでしょうか。
その奥には、今度は茶庭のように小さな門がありました。でも通常は門を通らず、横手から出入りする人が多いと思います。
格子の向こうでは、結婚式用の写真撮影をしている人たちがいました。
そこから園路にそって歩いていくと、管理事務所、兼休憩所、兼茶室の建物が現れます。
その横手を通り抜けると、大田黒氏が仕事場として使っていたという西洋風の2階建てに到着します。
現在は記念館になっており、氏の使っていたピアノなどが展示されています。
見学のための出入り口側(北側)は周囲が少し狭いのですが、南に回ると薄いピンク色の外壁が、周りの緑の中に溶け込んでいて、思わずスケッチなど始めたくなるような景色になっています。
建物の南側は芝生の広場。庭園なので景観のための芝生となっており、原則的には立入禁止のようです。
その分、冬でも見栄えがするものになっており、大きく育ったマツがきれいな影を落としていました。
敷地は建物が建つあたりが一番高く、東~南に行くに従って下がっていきます。
お庭はこの高低差を上手に使い、東側に流れを、南側に池を配した回遊式のものになっています。
これだけ楽しめて無料なのですから、大田黒氏と杉並区に感謝したい大田黒公園でした。
(2018年2月訪問)
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