No.1425 長崎公園は「原っぱ」というわかりやすい公園像を示していましたが、そこから300メートルほど離れたところには、それに輪をかけて目指すところが明快な公園があります。
その名も「小鳥がさえずる公園」ですので、名前を聞いただけで狙い目が明らかです。
豊島区役所のホームページによれば、面積は1,100平米ほど。もともと屋敷林だったところを開発してマンションを建てる計画が出たのですが、近隣住民の皆さんの働きかけで公園として保存することになり、1995年(平成7年)に開園したそうです。
公園区域のうち、人が入れるのは入口から10メートルほどのところまでで、その奥25メートルくらい分は小鳥のためのサンクチュアリで、人は原則立入禁止になっています。
境界部にはフェンスがあり、その手前に三段だけの階段があるので、ここから観察することになっているようです。
フェンスには20センチ四方くらいの小さな扉が付けてあります。
おそらく、ここから望遠鏡やカメラレンズを突き出して観察しろということなのだと思います。
ということで、カメラを突っ込んで撮影してみました。
公園になる前からの池を活かしているのでしょうか、中の島を持つ池が中心にあって、その周りにクヌギやエノキなどの落葉樹、カシ類などの常緑樹が見えます。もともと屋敷林だったと言う割には大きな樹木は少ないので、大きくなりすぎた樹は何度か伐採されているのではないかと思います。
5分ほど待っていると、ヒヨドリらしき鳥がやってきました。
肉眼では見づらい距離でも、とりあえずデジカメで撮影して拡大すればこれくらいは見えるようになるのですから、技術の力は大したものです。
ところで、フェンスには区役所から非常に正直な内容の貼り紙が掲示されていました。
「池の水を流すためのポンプの交換や配管の高圧洗浄、濾材の交換などに多額の費用がかかるため、稼働を停止する」旨が書かれています。
本ブログでもしばしば触れていますが、噴水や水遊び場など水を使った施設はメンテナンスにけっこうな費用がかかるため、近年、どんどん停止しています。
もちろん、お金をかけてでも動かしたい施設、動かさなければならない施設があるので、それについては頑張れば良いのですが、ここなどは「生き物のための自然を活かした池」ですから、もともと上水道で水を回すような施設ではなく、雨水や湧水を使ったものとしておくべきだったと感じます。
周囲が宅地化しているため、自然の水では今までどおりの水量が確保できなくなったり、溜まり水になることで蚊が出やすくなったりすることも予想されますが、そういうのも含めて自然ですから、機械頼みは最小限にしたいところです。
(2016年12月訪問)
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