兵庫県の北部・豊岡市にある県立コウノトリの郷公園は、国の特別天然記念物であるコウノトリの保護・繁殖・再野生化のための研究施設の周囲を一般向けに公開し、研究に関する普及啓発や環境学習のために役立てようという施設です。
小さな丘陵の麓、谷出口に設けられた公園入口を入ると、右に研究棟、左手に公開施設があります。
公開施設「コウノトリ文化館」は豊岡市の施設で、展示室、学習室、映像コーナーなどがあります。
その建物の1階を通り抜けて行くと、建物の外を見渡せるホールがあります。
ホールの端っこで皆さんがカメラを構えて見上げているのは...
そう、コウノトリです。
もっとも、そんなに苦労して見上げなくとも、ホールの目の前が「公開飼育ゲージ」になっており、棚田の環境を再現した屋根のないゲージに、たくさんのコウノトリが集まっていました。
公開ゲージの上流側の谷地が管理された湿地ビオトープになっており、観察会などに使えるようになっていました。
見学施設にあたるものは、だいたいこの3つですが、里山を縫う自然観察路などもあって、時間に余裕があればもう少し歩き回れるようになっています。
また、コウノトリの再野生化のためには、採餌の場となる水田や河川の環境も重要となるため、公園の周りの広い範囲で農薬や化学肥料を使わないコメ作りが行われています。
農家にとっては手間が増える反面、「コウノトリ育むお米」という名のブランド米として定着しつつあり、コウノトリを媒介にして生物生息環境の向上と農業収入の維持増進の両立を図る試みが続けられています。
「コウノトリ育むお米」は、公園の駐車場横にある直売所でも購入できます。
と言うことで、ふつうの公園とは少し毛色の違うコウノトリの郷公園でした。
●兵庫県立コウノトリの郷公園HP
●豊岡市立コウノトリ文化館HP
●豊岡市HP 「コウノトリ育む農法の紹介」
(2015年9月訪問)
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