神戸港にある人工島・六甲アイランドは、島の中央部が住宅・商業地区で、その周りを囲むように港湾の岸壁やコンテナバースがあるのですが、両者の間には盛土造りの緑地帯がグルリと巡らされて、騒々しい港湾と中央部との境界になっています。
行政側の取り扱いの都合で公園名はいくつかに分かれていますが、実際には一周5km少々の散歩道。天気の良い日に歩いてみました。
スタートは、アイランド北口駅。目前に高層マンションがそびえる駅に、六甲アイランド公園が直結しています。
■六甲アイランド公園(東半分)
海を埋めてつくられた人工島ですが、盛土部分には常緑の樹々がしっかりと根付いており、林としては少し鬱蒼としすぎているくらいです。
写真を撮り忘れたのですが、市街地側から橋を渡ってくる時に、この林を前景にして高層ビルが並ぶ風景は、いかにも六甲アイランドらしいものになっています。
林の部分は石垣の上で、普段は入るような場所ではないのですが、探してみたら歩けるところがあったので、中に入ってみます。
こうやって見ると、やっぱり丁寧に造成していますね。見かけた樹種は、ウバメガシやヒイラギ、ユズリハなど。常緑で、海岸近くでもよく育つものが選ばれています。
アイランド北口駅から400メートルほど歩いたところで、六甲アイランド公園の東半分が終了。陸橋を渡ると、シティヒル東緑地の区域に入ります。
■シティヒル東緑地
資料では上記のような名称で書かれているのですが、現地の案内板は、頭に「六甲アイランド」が付いています。
こちらでは、盛土の高さ・幅とも一回り小さくなり、幅40メートルほどの緑地帯の中を園路が通っていきます。
園路が通る高さも一律ではなく、丘の中を緩やかにアップダウンしながら抜けていくので、六甲アイランド公園とはまた違った気分で散策できます。
しばらく進み、戸建住宅地エリアの横手に出たあたりに梅林がありました。ただし、訪ねたのが1月半ばだったので、花には遠い状態。
とは言え、こうした蕾を愛でるのも、春の楽しみです。
梅林の端まで来ると石碑があって、ここが「ふれあいの丘」で、神戸市政100周年で東灘区民による記念植樹が行なわれたことを知ります。梅は、東灘区の「区の花」なので、それを人工島にも増やそうという取組みだったのでしょうか。
もう少し進むと、小学校・中学校の隣接地に来て、高い建物が減るため、かなり開放感が出てきます。
災害時に一時避難場所となる小中学校との連携も考えてのことでしょうか、防災用の耐震性貯水槽が埋められていました。
このあたりに、"外債発行により六甲アイランドは誕生しました。この誕生を記念してトチノキの植樹を行いました。(1989年11月;太陽神戸銀行,東京銀行)"という記念碑がありました。
神戸市では、六甲アイランドと、それに先立つポートアイランドの整備のために、主にヨーロッパの金融市場で市債を発行して資金調達をしているのですが、それの記念碑というのは初めて見ました。そして同時に、今はメガバンクへ合流してしまった太陽神戸銀行(現在はさくら銀行)と東京銀行(現在は三菱東京UFJ銀行)の名を残す記念碑でもあります。
そのまま南に向かって進んでいくと、カナディアン・アカデミーの隣あたりで、遊具コーナーが現れました。スタートから1.5kmくらい歩いて、初めてのまとまった遊具です。
神戸市内で、1990年代に整備された公園でよく見かけるシリーズで、白くて太いパイプと木製パーツの組み合わせが印象的な複合遊具です。
そこをすぎると、シティヒル東緑地が90度曲がって、住宅地の南側へと入ります。
曲がり角には、なんとなくステージ風の小広場。
曲がったところで園路が2本に分かれていたので、周回できるメイン園路から離れて、下の方に向かってみます。
するとそこには、バスケットゴールがある、細長い広場がありました。
広場の端と端にゴールがあるのですが、コートに見立てるにしては、離れすぎています。
でもこの時に、改修のお知らせがポールに貼り付けられていたので、きっと今頃は新しいゴールに取り替えられていることでしょう。
そこからもう少し進むと、周回園路は再び南へと折れ曲がり、陸橋を渡ってマリンパークへと向かいます。
■マリンパーク
初めの方で、「島の中央部を囲む盛土造りの緑地帯」と書きましたが、マリンパークだけは盛土の外に飛び出して、六甲アイランド南岸の海沿いに続いており、海を望むレストランなど、観光地的な施設整備がされています。
2018年(平成30年)に、台風による高潮で大きな被害を受けたことから、護岸の嵩上げや新しい民間施設の導入などの再整備事業が進行中で、訪れた時もまだ半分くらいは工事中でした。
でも新しい海釣り公園(有料釣り場)やレストラン、クラフトビール醸造所などはすでに営業中。
お金を払わないでも、遊んだりボンヤリしたりする場所はあるので、フラリと立ち寄ってみても良いでしょう。
ただ、再整備から日が浅く、やや吹きさらし感があるので、もう少し木陰や日陰が欲しいようには思いました。
再整備中の区域から西へ進むと、人工的に造られた池や森に囲まれた野鳥園があります。
池などは立入禁止で、横にある壁に空いた観察用の穴から覗き込むタイプ。
覗き穴に近づいてみると、こんな感じですね。

穴から覗くと、この景色。野鳥たちの住処の向こうに、大きなコンテナ船が荷下ろしをしている姿が、六甲アイランド的です。
ちなみに野鳥園のトイレは、なにかしらの野鳥の姿をしています。
■シティヒル西緑地
野鳥園を過ぎると、周回園路は再び曲がって陸橋を渡り、シティヒル西緑地へと続きます。
陸橋を渡ったところは、六甲ライナーの車庫。
西緑地は、だいたい東緑地を裏返しにしたような構造で、似たような施設・空間が登場します。ただ、ずっと歩いてくると「似ている」と感じるのですが、直線距離で1km以上離れているので、それぞれの近くに住んでいる方々にとっては、気にならないことでしょう。
だいたい同じような曲がり角のあたりには、なんとなくステージ風の小広場。
だいたい同じような園路沿い、同じくらいの規模の遊具コーナー。でも遊具はこちらの方が新しいものです。
その中で西緑地の特徴と言えるのは、植栽にワシントンヤシやフェニックスが多用されて、南国風の景観を作り出しているところです。
このあたりをハワイ公園と呼ぶ向きもあるそうですが、ハワイに行ったことはないので、似ているのかどうかわかりません。
西緑地の北端まで来て、この角を曲がると、六甲アイランド公園の方へと戻っていきます。
■六甲アイランド公園(西半分)
六甲アイランド公園の西半分は、東半分と同じような構造ではあるのですが、地下に市立小磯記念美術館が埋まって屋上公園になっている箇所が、広い範囲を占めています。下写真は、地上部から屋上公園へ続く階段。
屋上部分は、普通に園路が通っているので、言われなければ屋上だと気づかないかも知れません。
美術館の中庭(地上部・屋外)には、市内の住吉山手にあった小磯良平のアトリエが移設されており、これを屋上公園からも眺められるのが、面白いところ。
美術館を通り過ぎれば、出発したアイランド北口駅。歩けば1時間ほどかかる、六甲アイランドシティを囲む公園一周の旅でした。
(2026年1月訪問)









































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