天白渓下池公園は、名城大学八事キャンパスの北側にある小公園です。
この付近には、もともと上池・下池という2つの池があったのですが、昭和初期に、遊園地を供えた住宅地・別荘地「天白渓(てんぱくけい)」として開発されます。
ただ、水害があったり戦争に突入したりして、それほども栄えず、戦後になると市街地が拡大してきて徐々に今のような住宅地になり、上池は埋め立てられて名城大学のグラウンドになります。
そして残った下池も大半は埋め立てられて、できたのが天白渓下池公園です。
ですが、ここがまた少し難しくて、都市計画上は北へ約1.8km離れた東山動植物園までを含み、計画面積が約260haと広大な「東山公園」の南端の飛地となっています。下図の下端、旗を立ててあるところが本公園。
ですので、現に公園はあるし、園名石も建てられているのですが、いわば通称名のような状態で、名古屋市の公園一覧や公園配置図には掲載されていません。
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名古屋市都市計画情報提供サービスより |
それはさておき、園内。
西が高く東に行くにしたがって低くなる地形に沿って高低差があり、意外に細かく段切りされています。まずいちばん高い西側から入っていくと、三角形に近い変則形状をした小広場があります。
ここには、トイレや休憩所などもあリます。
ここから一段下がったところが、木立の中にある遊具広場。
半球状のジャングルジムやコーヒーカップ型回転遊具など、ほかの公園ではそれほど見かけないものが置かれています。
木立の中の遊具は、夏場は涼しくて良い反面、あまり使われていないと落ち葉などが積もって薄汚くなることがあります。ここでは、滑り台もきれいな状態で、よく使われている様子が見て取れます。
4連ブランコは、うち2連が乳幼児用のバケット式になっていますが、これが割と発達初期のもので、今ではあまり見られない形状をしています。
最近のものは、樹脂製品で、股部分にストッパーがあるものが多いのですが、これは座板は木製、フレームは金属を曲げて製作されており、股のストッパーの代わりに足置きが付いています。
こういう古い形の遊具が残っているのも、都市公園一覧から取りこぼされているからではないか、と考えてみます。
回転遊具も、全国的に数が減っている種類の遊具ですが、ここでは現役。回してみると、滑らかに動きました。
遠心力で外向けに飛ばされることがある回転ジャングルジムと比べれば、遊び方も大人しいものですし、できるだけ長持ちして欲しいものです。
ジャングルジムも、すこし面白い形をしています。
そして、園内北側を通る通路は、かつての池堤防の形を残しているようで、どこか田舎風の長閑さが感じられます。
園内では最下流にあたる部分は、大きめの草敷きの広場。防球ネットや投てき板も付けられているので、子供たちの野球やサッカーに使えるものと思われます。
その東側には、小さくなった下池が残っていますが、園内とはフェンスや樹林でしっかりと区切られており、これ以上近づくことはできません。
でも水面そのものはよく見えるので、水鳥の観察などはできることでしょう。
近所のほかの公園とは、すこし違った雰囲気が味わえる天白渓下池公園でした。
(2024年6月訪問)
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