チョンダ公園は、浦添市宮城(みやぎ)の区画整理地内にある小公園です。
沖縄県公文書館の資料によれば、付近には元々「チョンダ原」という小字があったようなので、そこから採られた公園名だと思います。
ちなみに沖縄には伝統的な門付芸のチョンダラー(京太郎)というのがありまして、現代のエイサーにも組み込まれていることがあります。このため、初めに公園名を見た時はチョンダラーのことを思い出したのですが、でも音が似ているからと言って「花」と「噺家」はなんの関係もないので、チョンダとチョンダラーも関係ないように思います。
さて、そんな雑感はさておき、園内は石張りのスペース、土敷きの広場、遊具コーナーの3つに大別されます。
しかし一番目立っているのは、橋ですね。
遊具コーナーと土広場を結んでいるのですが、地形や機能的にはとくに必要なく、遊びや装飾の要素が強いと見受けられます。
公園北側から眺めるとアーチ門の役割も果たしており、小さな住居番号表示板まで付けられています。
No.84 浦添大公園で登場したように、浦添市には首里城と地方を結ぶ街道の石橋がいくつか残っています。明治の頃までは、架けかえるにしてもコンクリートではなく石橋だったようで、No.2376 うちょうもう公園の回では、沖縄戦で爆破されたものが復元整備された安波茶橋が登場しました(下写真)。
それらとは経緯が異なりますが、石橋だけでなく、周りの石積みなどもしっかり作られており、「明治時代の石橋を公園内で保存している」と言われると信じてしまいそうです。
橋の上から舗装広場を眺めたところ。階段部分が適度に波打って、川の流れを彷彿とさせます。
さて、この石橋が結んでいる園内2ヵ所のうち、遊具コーナー。
遊具といいましたが、いわゆる滑り台やブランコではなく、盛土の石山の周りにガケ滑り台やネット遊具を張った土木的遊具です。
ただし、オレンジ色の網は遊具ではなく、立入禁止のための防護ネット。おそらく木部やネットの老朽化が理由でしょう、訪ねた時は遊具全体が立入禁止になっていました。
ガケ滑り台は普通に使えそうだけど、コンクリートの表面がところどころ剥がれているので、一緒に修繕するのかも知れません。
山頂の展望台から園内を眺めてみたかったものですが、今回は登頂を断念。
一方、橋の反対側にあるのは、ほぼ真四角の土敷きの広場。一辺20メートルほどの小さなものですが、ぐるりと園路が取り囲んでおり、子どもの遊びだけでなくウォーキングなどにも使えるようになっています。
と、ここで気がついたのは、道路の防護柵の外側にある胸高くらいの青いフェンスの存在です。区間の中で、公園の中心部に面したところにだけ立てられているので、公園からのボールや子供の飛び出しを防ぐために立てたものだと思われます。
たいてい、こういう場合は公園敷地内にフェンスを立てるものですが、車道の際に、後から工夫してフェンスを取り付けている様子に、当時の皆さんの苦心が偲ばれます。
ほかの公園とは一風変わった雰囲気が面白いチョンダ公園でした。
(2024年3月訪問)
0 件のコメント:
コメントを投稿