3202/1000 永楽公園(鳥取県鳥取市)

2023/01/12

身近な公園 鳥取県 鳥取市

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JR鳥取駅の周囲には温泉が湧いており、県庁所在地ですが駅前がいきなり温泉街になっています。
はじめて温泉が出たのは明治中頃だそうで、それが旧城下町の外の吉方村エリアだったため”吉方温泉”と名付けられたものが、その後は泉源も増えてそれぞれに温泉場の名乗りをあげて、戦後になってから住所として吉方温泉町、永楽温泉町、末広温泉町などができてきたようです。

いまはまとめて”鳥取温泉”を名乗っているのですが、インターネット検索の仕組み上、検索すると”鳥取+温泉”になってしまうため、鳥取県内にある三朝や皆生などの有名温泉地の情報が上位に来がちで、なかなか”鳥取温泉”の名前が通じづらいように思います。

そんな永楽温泉町の街なかにあるのが、永楽公園です。

繁華な街なかにある貴重なオープンスペースですが、そうした時にありがちで、間口が狭く奥に長い形をした鰻の寝床型の敷地となっています。

一番奥は行き止まりで、どこかに抜けられるわけではありません。
そんな奥まった場所に滑り台、ブランコ、シーソーなどの遊具がありますが、全体的に古びており、ちょっと寂しい感じがしてしまいます。

ブランコのすぐ横にベンチがあるなど今の安全基準には合わないところもあるので、そろそろ色々と見直さないといけない時期が来ていることは確かです。

その時には、木陰に落ちているリンゴのスツールも、無くなってしまうかも知れません。

しかし、この公園で一番気になるのは、敷地の中央にポツンと置かれた謎の小屋。
パーゴラ風の覆いを付けてごまかしていますが、公園内の位置の不自然さは隠しようがありません。というか、これが敷地の真ん中にありすぎて、奥の遊具広場までの目線を邪魔していることが非常にマズいと思います。

近寄ってみると、一つしかない大きな扉は閉じられていて、いったい何の建物なのかはわかりません。
ちゃんとした電源が引き込まれているので、そこそこの動力を継続的に使うものが収納されていることはわかるのですが。

「動力・電源」と考えた時にふと思い出したのが「動源温泉」のことです。
この温泉は、1952年(昭和27年)の鳥取大火の火元の目印として色々な記事に出てくるのですが(ここが火元と特定されたわけではないので「鳥取市営動源温泉付近から出火」といった書きぶり)、今はその名前の温泉場がないので、どこかよくわからなかったのです。

そこで図書館に行って「鳥取市大火図」という資料を見てみると、やっぱり現在の永楽公園付近に火元が描かれています。ということは、この建物の中には動源温泉と呼ばれていた泉源のポンプか何かが格納されており、今もどこかにお湯を送っているのではないでしょうか。

(おそらく)鳥取の歴史に残るできごとの記憶をつなぐ永楽公園でした。
なぜ「動源温泉」と名付けられたのかなどはまったくわかりませんが。

(2022年10月訪問)

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