西宮市甲子園地区の南部、21世紀初頭まで約50年の間は甲子園競輪場があった場所の再開発で開かれた戸建て住宅地に、甲子園東公園があります。ちなみに以前に訪ねたNo.1553 東甲子園公園とは別の公園です。紛らわしい!
なんといっても、このカラフルなタイル張りの石の山遊具が目立っています。
住宅地の中の小さな公園で、開発事業者が整備したのだと思うのですが、西宮市内の他の公園にはない力の入った遊具です。
公園内の施設配置としては、一番目立つ出入口すぐのところに石の山遊具を置いて、その後ろに円形の広場を配置する構造になっています。この配置から、遊具として公園のシンボルになるだけでなく、まちのシンボルとして際立たせたいという意図が伝わってきます。
遊具としての機能についてだけ言えば小ぶりな石の滑り台で、階段や円柱のステップ、ガケ登りなどで上のデッキ部分に至り、
この小さな滑り台で下りてくるということになるので、幼児向けサイズの石の山遊具にほかなりません。
しかし、すでに皆さんお気づきでしょうが、どの写真でも、遊び機能部分を見る前に、モザイクタイルの造形に目を奪われてしまいます。
構造としては土を盛り上げて、コンクリート擁壁で止めて、表面をタイルや切石で覆ってと、土木的な作業によって形作られているのですが、非常に建築的な雰囲気が感じられます。
それは、階段やデッキ部分の床石の貼り方などが、住宅外構のような仕上げになっていることや、モザイクタイルの作業の細かさから滲み出るものかと思います。
だいいち、この小さな丸タイルをびっしりと貼る作業は、ふつうの造園土木ではまずやらない作業なので、建築エクステリアの職人仕事なのかなぁと思います。
それに比べて、鉄棒のシンプルなことよ!
住宅地の中でも奥まったところにあって、ごく近所の方しか気づかないことがもったいないように感じた甲子園東公園でした。
(2021年10月訪問)
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