沖縄本島南部には南風原町(はえばるちょう)という自治体がありますが、うるま市にも南風原という地区があります。
こちらの南風原の中心集落は、勝連半島を縦断する丘陵地の西南側斜面にあり、18世紀に計画的に開発された碁盤の目状の道路区画や防風林、集落の四隅に配置された石獅子などが残る集落景観で知られる地区です。
うるま市発行の文化財パンフレットによれば、”1726年に勝連間切地頭代前浜親雲上(カッチンバーマー)という優れた指導者が、首里王府から集落移動の許可を取り付け、勝連城の南側傾斜地から現在地に村を移動した”そうで、集落内にはカッチンバーマーを祀る報恩社があります。
ちなみにカッチンバーマーは知恵者、頓智者として昔話的に語り継がれる人物で、NHKのうちなー昔話でも取り上げられています。本土で言えば曽呂利新左衛門みたいな人でしょうか。
https://www.nhk.or.jp/okinawa/asobo/archives/178.html
さて、そんな南風原集落からすると外れの山裾に南風原公園があります。
古くからの集落の中にはまとまった公園用地が取りにくいので、もともと集落の外れで様々な共有用途に使われていた森の端っこを、公園に転用したものと思われます。
なので、園内には地区の戦没者慰霊碑がありました。見た感じでは公園ができるよりもずっと古く、戦後すぐくらいの建立ではないかと思います。
園内でもとくに眺めの良い場所に立っており、変わりゆく南風原集落を見守っています。
さて公園施設の方ですが、まずは山裾で高低差のある敷地を使って長さのある滑り台が設置されています。がしかし、訪問時には老朽化のため使用停止になっていました。
滑り台の上部には木製のアスレチック遊具が繋がっているのですが、こちらも使用停止。
ブランコだけは遊べましたが、これ一つでは遊び場としての魅力は今ひとつです。
そうなると、休憩所やトイレのある側の草芝敷きの広場が頼りということになります。
広場にはちょっとした観覧席が付いており、ゲートボールや地区のお祭りなどにも使えるようになっています。
でも休憩所は屋根の残骸なのか何なのか、わけのわからない状態になっていました。
昭和の終わりに整備されてから30年以上、これといった補修や改修を受けていないと思われ、そろそろ手を入れる必要がありそうなうるま市の南風原公園でした。
(2021年7月訪問)
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