1902/1000 八木遺跡公園(兵庫県明石市)

2018/09/22

おもしろ滑り台 海辺の公園 身近な公園 日時計 兵庫県 明石市

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明石市西部の海岸沿いには、高さ10~15メートルほどの海岸段丘が続いており、「屏風ヶ浦」と呼ばれる独特の景観となっています。
波に削られて露出した地層からは著名な化石も見つかっていることから、そのイメージを取り入れて整備されたのが、八木遺跡公園です。ただし明石市HPの「市内の主な遺跡」には、そのものズバリの「八木遺跡」は掲載されておらず、その名で呼ばれる遺跡があるのかないのかは分かりません。

上写真で写っている崖地が「アカシゾウ発掘地」で、公園とは遊歩道で繋がってはいるものの、200メートルほど離れています。

■現地の解説板より「アカシゾウ(アケボノゾウ)」
昭和35年(1960)、当時中学生であった紀川晴彦氏がこの海岸の崖からゾウの牙の化石を発見した。その後、同地点を一人で掘り続け、約6年間で97点におよぶゾウの歯や骨の化石を採集した。
昭和41年(1966)には、大阪市立自然史博物館が発掘を引き継ぎ、新たな標本を加えた。これらの標本は同一個体であることがわかり、それをもとに初めてアカシゾウの全身骨格標本がつくられた。
アカシゾウは、今から約120~180万年前に西日本を中心に関東地方に及ぶ広い範囲に生息していた。今のアジアゾウやアフリカゾウと違いステゴドンとよばれる絶滅したグループに属する。体高は約1.5メートルとゾウとしては小型であるが、1メートルほどの長い牙をもつ。アカシゾウは現在では、アケボノゾウとよばれることが一般的である。
アカシゾウがいた頃の明石は大きな湖の岸近くで、メタセコイアやスイショウなどの木が生い茂っていた。

平成18年3月 明石市

公園本体は、海岸段丘の上側にあり、園内のほぼ全体が草敷きの広場状になっています。
ちなみに広場が縞々になっているのは、草刈り作業の途中だから。

で、「遺跡のイメージを取り入れた」公園内のアイテムと言えば、まずはゾウの骨格標本風のシルエットになった複合遊具。白くて長い牙はハシゴになっています。

離れてみると、それほどゾウ感は出ていません。

お尻の方に回ると、もう一本の長い滑り台が。ゾウの尻尾にしては長すぎるでしょうか。
いや、2頭のゾウがそれぞれ反対を向いて立っている様子なのかも。

それからもう一つ、古代住居風の木製遊具もあります。

この遊具の脇から、海岸の方へと流れが作られています。

少し目線をずらせば、明石の海。その先には淡路島が見えてきます。

流れが海に届くあたりにあるのが、古代住居風の東屋。

遺跡公園だから、と言われればそうなのですが、明るい海辺に唐突に建っているのでなんだか珍妙な光景にも見えます。
古代人はこんなに海辺キワキワのところには住みませんし。

再び崖上に戻り、メインエントランスから海の方を眺めます。中央にあるのは日時計のモニュメント。ただしグノモンの部分が無くなっているため、自分で棒を立てねば使えません。

この日時計の図柄が面白く、「日が昇るに連れて徐々に進化し、夕方には現代の人間になるものの、翌朝になるとまた猿人からやりなおし」というデザインになっています。
「われわれは、本当に進化しているのだろうか?」という哲学的な問いかけをされているようにも感じてしまいます。

妙なところに色々と味のある「遺跡イメージ」が溢れる八木遺跡公園でした。

(2018年5月訪問)

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