2018年6月25日

1825/1000 成城三丁目緑地(東京都世田谷区)

小田急沿線の高級住宅地・学園都市として知られる成城地区ですが、駅は段丘上にあり、そこから南の野川、東の仙川方向へとだんだん下がっていき、最後は急斜面、いわゆる国分寺崖線で川に落ち込んでいくという地形になっています。
こうした斜面地の一つを緑地として保全し、自然観察の場などとして活用しているのが成城三丁目緑地です。

■現地の解説板より「成城三丁目緑地」
成城三丁目緑地は、多摩川が長い年月をかけて削ってできた「国分寺崖線」にある森です。もともとは国の土地で、宿舎や建物がありました。人々の暮らしを支えた雑木林や、斜面から流れ出る湧き水、竹林などがあります。
<管理について>
世田谷区、(財)世田谷トラストまちづくり、小学校、ボランティアのみなさんが一緒に「成城三丁目里山づくりコア会議」として活動し、定期的な話し合いや管理作業を行い、みどりの保全をしています。

世田谷区

いちおう崖上に少しばかりの平場もあるのですが、ほとんどが崖地。
おそらく平場部分が、解説板に出てきた「宿舎や建物」があった場所ではないかと思われます。

南向きの崖地部分には、上下方向には階段が1本、水平方向に上下2本の園路が通っていて、森の中を散策できるようになっています。ただし、水平方向下側の園路の一部は、おそらく緑地の園路ではなく、隣接するマンションが提供するものだろうと思います。

植生としてはクヌギ、アカマツなどが多く、林床にはネザサが広がっているなど、武蔵野あたりの人手が入った斜面林の姿をしています。

水平方向に西へ移動していくと、沢がありました。
この沢の周りは竹林が多く、また谷底の湿り気が多いところにはセキショウが広がっています。

沢に架かる橋は「きよみず橋」。隣接する小学校の生徒たちが考えた名前だそうです。

この沢の付近が園内でいちばん傾斜がきつく、竹材を使った土留がたくさん作られていました。

そこから一旦、小学校の近くまで上り、折り返すと「へび坂」と名付けられた坂道で崖下の方へと下りていきます。

で、へび坂をずっと下りていくと、崖下に建つマンションの敷地に入ってしまいます。
ただし、門があって私が訪れた昼間の時間帯は開放されていましたので、とくに気にせずマンション側に入らせていただきました。

もっとも、マンション敷地と言っても、このように建物部分とは切り離されています。
おそらくは崖下の用地にマンションが建つ際に、業者と地元や自治体との間に何らかの協議があって、緑地の園路として使える用地をマンション側から提供することになったのだろうと思います。

ずっと歩いていくと、先程の沢のところに出ました。
きよみず橋から下流側にもセキショウが茂っていて、ずっと水が流れてきている様子がうかがえます。

でもこのままだと流れてきた水はマンションにぶつかってしまうので「どうなっているのだろう?」と思って下を見ると、今歩いている通路が橋状になっており、その下に流れ込んでいるようです。

そこで橋の反対側を覗き込むと、なにか湿っぽいような空間になってはいますが、流れ出てきてはいません。どこに向かって流れを引き回しているのでしょう。

水の流れに思いを馳せつつ通路東端の出口から出ると、最初の頃に登場した上下方向の階段園路の一番下に繋がっていました。

このあたりには、先程まで触れていたものとは別の沢も流れ込んでいて、ちょっとした池のようになっています。

上から下まで崖線の構造や植生を楽しめ、でも沢の水の行き先だけが気にかかる成城三丁目緑地でした。

(2018年2月訪問)


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