1167/1000 高倉台団地の遊び場(神戸市須磨区)

2016/05/05

キノコの東屋 タコ滑り台 山遊具 神戸市須磨区 身近な公園 兵庫県

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今日はこどもの日。
それにちなみ、こども達が元気に育つことを願って作られた遊び場を特集します。

舞台となる神戸市須磨区の高倉台は、須磨ニュータウンの一角として1970年代に神戸市によって開発された地区です。神戸市の資料によれば1972年(昭和47年)に第一次の宅地分譲が始まっていますので、だいたい40年以上が経過しています。
緑の山々に囲まれた地区内には低層戸建とテラスハウス、5階建くらいの中層アパートが並んでおり、その中に計画的に配置された公園緑地が散らばっています。中でも、中層アパート団地の遊び場に作られたコンクリート製遊具がいい味を出しているので、そこから6つの遊び場を選びました。
遊び場には団地の棟数を使った名前が付いているようなのですが、よくわからないので順不同で勝手に付けた番号で呼んでいきます。

まずは遊び場その1。
鉄道の通っていない高倉台ですが、こんなところに駅が隠れていました。ドーム屋根を持つ、ヨーロッパ風のお洒落な駅舎です。

高倉台駅周辺の全景。トンネル、鉄橋などがある中で動物たちが暮らしています。
先ほど放送1万回を迎えたTV番組『世界の車窓から』を見ているかのようです。

遊び場その2。
イボイボの生えた石の山遊具の周りに動物たちが集まっています。

石の山遊具は、高倉台駅周辺の幾分なりとも写実的だったものとは打って変わって、曲線を主体とする軟体動物系のデザインです。あえて言えば、ウミウシに似ているでしょうか

集まっている動物は、カエル、子鹿、ニワトリなど。やや、とりとめのないメンバーです。

そこに丸太の蒸気機関車が到着しているところも、とりとめのなさを増加させています。

少し離れたところには、コンビナートのパイプのようなコンクリート遊具。
でも上にはハトが止まっているので、パイプではなく森の樹なのかも知れません。

遊び場その3。
大きな砂場の中に、巻き貝をイメージしているのか、塔のようなものを備えた遊具と、サンゴ遊具、海の仲間たちのコンクリート遊具などが集まっています。

シンボリックな青い塔を掲げた遊具は、らせん状の階段と滑り台の中心に、隠れ家にも、登攀遊具にもなるドームがあります。
どの角度からも、あまり良いように写らないのですが、青い塔の下からもう一本の滑り台が出ています。

同じ砂場の中に、コンクリートの柱に枝がゴツゴツと突き出したサンゴ遊具と、タツノオトシゴ、フグなどのコンクリート遊具が並びます。

こちらは、塗装と欠損の具合でずいぶん違って見えますが、No.367 尼崎市の神田公園にいたタコと同じものだと思います。

そしてここにも蒸気機関車。そういえば、この団地が開発された1970年代前半は、SLブーム真っ盛りでした。

遊び場その4。
タコ滑り台に進化する直前の仮称・ガヴァドン滑り台を中心に、海の仲間たちが大集合しています。
ガヴァドン滑り台は、これまでにもNo.254 新浜公園No.629 鶴甲公園などで登場しましたが、みな少しずつ形状が異なっており、まさしく軟体動物系と呼べる物件です。

海の仲間はタコ、カニ、フグ、ヤドカリなど。ほかの公園ならこのうちの2~3体が選ばれて置かれていることが多いのですが、ここでは惜しむことなく集まってきています。

遊び場その5。
ここにはやや小ぶりなのですが、滑り台、ツルツル、デコボコ、穴あき、階段&ラダーの5種類が複雑に組み合わさった山遊具があります。

こちらの遊具は高さの違う平面をたくさん組み合わせただけなのですが、幼稚園にも上がっていない幼児でも頑張れば一つ一つ登っていくことができて、意外に幅広い年代が遊べます。
と言いながら、下の写真は団地内の別の遊び場に設置されている同型の遊具です。遊び場その5の遊具は、子供がいっぱい遊んでいたので撮影は自粛しました。

そして、トリに控えるのは遊び場その6。
細かなものはあまり置かずに、巨大なコンクリート遊具一本勝負タイプの遊び場です。

主役の軟体動物系の滑り台は、一部では「イカ滑り台」と呼ばれているもので、あまりの造形の素晴らしさに驚かされたので様々な角度から記録。

ここまでくると、「遊具の形を借りた、芸術家の表現活動」と呼ぶのが相応しいようにも思いますが、この遊具で遊んだ子供は一生忘れないことは確実です。

でも、決して大人の独りよがりで構成されているわけではなく、No.833 仲よし児童遊園で見かけた、非常に仕事の細かい「特製・海の仲間たちブロック」で囲まれた砂場もありました。
下の写真はタコのブロックですが、この調子でイカ、カメなどが砂場を取り囲みます。砂場遊びに来る幼児たちの目線を重視した気の配りように頭が下がります。

キノコの東屋もあるのですが、まるっきり脇役に回っていました。

今の遊具は安全のための基準や規格が厳しくなっているため、一概に比べることはできないのですが、このような古い遊具や海外の遊具を見ると、「どうにかして子供たちがワクワクするものを作ってやろう!」という強い思いや試行錯誤が滲み出ているように思えます。

あくまでお住まいの方のための遊び場なので外部からわざわざ行くと迷惑をかけてしまうこともあるのですが、それでも広く知ってもらい、できるだけ大事にして欲しい高倉台団地の遊び場たちでした。

(2015年10月訪問)

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