401/1000 巽山公園(岩手県久慈市)

2013/07/16

岩手県 久慈市 身近な公園 戦争遺跡

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2013年春から始まったNHKの朝ドラ「あまちゃん」の舞台である架空のまち・北三陸市のモデルおよび撮影地となったのが岩手県久慈市。
その町の中心にあるJR八戸線の久慈駅から徒歩10分、まちを見晴らす丘の上にあるのが巽山公園です。

巽山公園(岩手県久慈市)

といっても、それほど高い丘ではありません。麓にある道の駅のそばから公園を見たらこんな感じ。

巽山公園(岩手県久慈市)

丘の頂上から一段下がったところが芝張りの遊具広場になっており、ここが利用の中心になります。
久慈市のホームページによると2010年度に改修されて現在の姿になったそうです。

巽山公園(岩手県久慈市)

メインの遊具は、こちらの大型複合遊具。導入にあたっては市内全小学校の児童(21校、2,186人)の投票がおこなわれ、3つの案の中から927票(有効票の約43%)を集めたこの遊具に決まったそうです。
公園の近くにある学校1つや、近所の子供会くらいの規模を対象とするアンケートを実施することはよくありますが、全小学校というのは聞いたことがありません。それだけ、この公園が市の中心的な存在だということでしょう。
また、久慈市のホームページで紹介されたいた投票風景の写真を見ると、投票は本当の選挙と同じアルミの投票箱を使い、各校から集められた投票箱を市役所で開票するなど、一種の体験学習にもなるような本格的なものです。手間はかかりますが、非常に面白い発想・企画だと思いました。

巽山公園(岩手県久慈市)

広場の一角には、久慈市出身で「空気投げ」で知られる講道館柔道の十段、三船久蔵の記念碑です。公園からは少し離れた別の場所に、三船十段記念館もあります。

巽山公園(岩手県久慈市)
●現地の解説板より「三船十段の碑」
久慈市名誉市民である柔道家、三船久蔵氏は、明治16年に久慈市に生まれました。
柔道創始者である加納治五郎の理論を実践し「柔道の神様」とあがめられました。
昭和39年の東京オリンピックでは柔道競技運営委員を務め、国際的協議としての「柔道の完成」を見守った翌40年1月27日、82才で永眠されました。
ここ巽山公園内に「三船記念館」が建設(昭和33年)され、平成2年に久慈市市川貫の市民の森に「三船十段記念館」として新築移転しています。

記念碑の横手には滑り台が付いた階段があり、階段を登ると展望デッキのある広場に出ます。
この広場のあたりが、公園の中では一番高い場所のようです。

巽山公園(岩手県久慈市)
巽山公園(岩手県久慈市)

展望デッキあたりから東に広がる久慈市街地を眺めます。
東日本大震災の際には、写真の中央に見えるトンガリ屋根(文化会館)のあたりまで浸水したそうです。

巽山公園(岩手県久慈市)

公園から東側に下りると、昭和レトロな巽町商店街があります。

巽山公園(岩手県久慈市)

この商店街の所々に、公園のある丘の崖に向かって掘られた横穴が空いています。
これは戦時中の防空壕跡です。

巽山公園(岩手県久慈市)

●現地の解説板より「防空壕跡」
久慈市は砂鉄の産地で、昭和42年まで久慈駅の東側に川崎製鉄(株)の大きな工場がありました。
戦時中には全国の製鉄工場が空襲により爆撃を受けていたため、この山にもいくつかの防空壕が掘られました。この防空壕は女性たちも作業に加わって掘られたものといわれています。

こうした戦争遺跡も含め、なにかと久慈市のシンボル的な巽山公園でした。
ちなみに、町名表示板の上に描かれているイラストが、三船久蔵の空気投げだろうと思います。

(2013年4月訪問)

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