神戸市北区の箕谷(みのたに)は、兵庫津から北へ伸びる街道が東の有馬、西の三木へと分かれる要衝となっており、この地域の物流や軍事において重要な場所でした。
そんな箕谷の、旧集落からは少し離れたニュータウン内に、箕谷城跡公園があります。
もっとも、園内には人為的に造成されたらしい平坦面や、濠っぽい谷地などがあるのですが、はっきりとした記録に残る城跡でもないものか、いわゆる城址公園のような整備内容ではなく、地形を活かした一般的な小公園の姿となっています。
ちなみに神戸市の埋蔵文化財マップで確認すると、埋蔵文化財包蔵地になっているのは、公園よりも少し北の山林部分。
![]() |
神戸市情報マップより |
さて、階段を登って園内に入ってみます。
ここは西向きの斜面地を造成した細長い広場で、サボテン型のブランコや、揺れる動物遊具が置かれています。
狭い場所でも設置できるサボテン型が採用されていることで、逆にここが狭いことが浮き彫りになってきます。
ずっと進んでいくと一番奥に折り返して上段と繋がる階段があり、ここにガケ滑り台が付いています。ダメじゃぁないのですが、それぞれの遊具が離れすぎていて、遊びにくいようにも思います。
その階段を上がると、少し大きめの平坦地があり、複合遊具が置かれた遊び場になっています。
園内ではここが一番見晴らしが良く、北の帝釈山系の方へ視界が開けています。
でも真北、この丘のすぐ下にあるはずの志染川沿いの街道は見えにくいので、やっぱりお城として考えるなら、もう少し北まで続いていないと、今ひとつ役に立たない気がします。
やっぱり、包蔵地図の位置が正しいのでしょうか。
複合遊具のある段から少し北に進んだ位置には、やや谷っぽい地形に続く平場があります。山城だとすると立派な郭ですし、公園としては、この園内で一番まとまった広場です。
そこから階段を上った先は、広場と言えば広場、広めの園路と言えばそうとも言えるといった感じで、無理に大きな造成をせずに、地形に沿って通れるようにしてある仕上げです。
さらに、上写真左手の奥の方には、住宅地との境目にさらにもう一段高い平場までありますが、木立と住宅とに囲まれてしまい、あまり使い勝手の良い場所にはなっていません。
中世の山城っぽく、高さが異なる細かな平坦面がいくつも連なっているため、景色に変化があって、散歩をするのは楽しい公園です。
また、子供がかくれんぼをするにも良いと思いますが、園内で見通しが効く場所が限られるので、下手に隠れるとまったく見つけてもらえなくなることでしょう。
往時に思いを馳せて楽しい箕谷城跡公園でした。
(2024年7月訪問)
0 件のコメント:
コメントを投稿