沖縄県八重瀬町の具志頭(ぐしかみ)運動公園は、サッカー場やトレーニング施設などを供えた大きな公園です。
...と書き出してみたのですが、じつはこの公園は丘の上下に分かれ、間には清掃工場があって区域が分断されており、また丘の上は新しく下はかなり古くて、途中の斜面地に今ひとつはっきりしない広場があるなど、どこからどこまでが正確な公園区域なのかよくわからないまま書いています。
もともとは、山上には陸上競技場があったのですが、これを廃止して現在の姿に改修する際に、『八重瀬町スポーツ観光交流施設の設置及び管理に関する条例』と『八重瀬町健康増進機能強化施設の設置及び管理に関する条例』を立てて、サッカー場、フットサル場、トレーニング室は「八重瀬町スポーツ観光交流施設」、パークゴルフ場は「健康増進機能強化施設」として扱うことになったようです。
現に並んでいて、同じ現地事務所で管理しているものが、別々の条例施設に分かれているのは、国からの補助金の入れ方など、行政的な理由があるのでしょうか。
サッカー場は天然芝のフル規格・ナイター照明付きのものが1面、また管理事務所を兼ねたクラブハウスも立派なものが建てられています。
プロサッカーのFC琉球が練習用に使うそうなので、なかなかの規模・水準です。ただ、プロが使うグラウンドは高いレベルでの芝生管理が必要で、使っていない時に気軽に学生などに貸せないということも起こりうるので、実際の運用面が気になります。
誰もが気軽に使えるスペースとしては、人工芝のフットサルコートもあります。
その隣に、全18ホールのパークゴルフ場。
立派な施設ですが、間にサッカー場を挟んで駐車場から200メートルくらい離れている点は課題かな、と思います。
園路も歩いて楽しい道ではないので、「ちょっとサッカー優先にしすぎちゃったのでは?」と考えるわけです。
さて、山上を離れて、山下の方へと下っていきます。途中の斜面部分は大きく3段に切り分けられており、各々が500~600平米くらいはある草芝敷きの広場になっています。
3段それぞれにパーゴラやベンチがあったりなかったり、駐車場は2段目だけにあったりといった多少の差異はありますが、全体的にはのっぺりとした広場が続きます。
中段には「北部地区農村公園」という園名板があるので、少なくともここは具志頭運動公園の区域ではなさそうですが、その上下の段がどうなのかはわかりません。
気軽に3段と書きましたが、各段の間は7~8メートル以上の段差があるので、一体的な活用も難しい構造です。
そしていよいよ、ナイター設備付きの多目的広場がある山下まで下りてきました。広さだけなら山上のサッカー場にも負けない広さがありますが、伝統的な野球・サッカー兼用施設で、古さは否めません。
じつは八重瀬町では、この多目的広場と周りの駐車場部分は民間企業へ売却する方向で話が進んでおり、売却先としてゼンショーが公募選定されています。ですので、おそらく公園・公共施設としてはすでに廃止されており、そう遠からず、はま寿司その他の店舗が建つものと思われます。
おそらく、これと山上にあった陸上競技場が同時期に老朽化したことから、陸上競技場は廃止して新しいサッカー場にして、山下の土地を売却してサッカー場の整備費に充てる、といった事業スキームがあるのでは無いかと思われます。
ということで、すでにグラウンドとしての水準の管理はされていないのか、あちこちに水溜りができていました。
よく見ると、水溜りにはたくさんのオタマジャクシが泳いでいました。川や池からは少し離れた場所ですが、何ガエルの子供なのでしょうか。
変わりゆく途中の姿をとらえた具志頭運動公園でした。
(2024年6月訪問)
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