山手線で上野から飛鳥山にかけての区間は台地端の急崖の下に沿って山手線が通っていますが、その台地の中でもひときわ高いのが西日暮里駅付近で、江戸時代から道灌山と呼ばれる景勝地として知られていました。
そこに西日暮里公園が作られているのですが、JRに直交するような形で切通道が通っており、そこから結構強烈な歩道橋で公園内へと上がることができます。
道灌山そのものが景勝地だったことに加えて、名物の船繋松(ふなつなぎのまつ)、季節の風物の虫聞(むしきき)の様子などが浮世絵に描かれた江戸の名所であり、さらに明治以降は加賀前田家の墓所があった曰くの多い土地でもあるということで、園内には解説板が何枚も建てられており、ちょっと多すぎてうるさいほどです。
ちなみに解説板によれば、前田家の墓所が金沢に改葬されて、この場所が公園になったのは1973年(昭和48年)のことだそうなので、そこまで古い話ではありません。公園のつくりとしては、丘の上の平坦地に園路を通し、かつての景勝地らしくサクラやモミジを植え、屋外彫刻をあちこちに並べた、といったところですが、50年前の整備ですので、今となっては少々古臭い感じは否めません。
おそらく墓所だった頃から残してある樹木もあると思うのですが、平場の面積に対して樹木が大きすぎる嫌いがあり、結果として鬱蒼として湿っぽい公園になっています。
前田家の墓所こそなくなりましたが、周りは今も墓地なので、そのせいで湿っぽいのかも知れませんが。
あと、斜面部分の樹木も大きく育っていて、江戸の名所だった頃の眺望がまったく失われているのも残念です。
もっとも、ここを開いたところで、いま見えるのは西日暮里の駅くらいなのですが。
やたらと鉄棒が多い遊具広場もありますが、子供連れでは登ってくるのが大変なので、さほど人気はないのでは、と思いました。
駅前直結の地の利はあるので、もう少し樹木を整理して明るくして、同時に一本一本の樹を大きく元気に育てることで、気軽に訪れやすい林を楽しむ公園とする方が良いように思いました。
ということで、一見客が好き勝手なことを書いてしまった西日暮里公園でした。
(2022年11月訪問)
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