沖縄県西原町の中心地で役場などもある与那城(ヨナグスク)集落の中、西原小学校のすぐ北に、与那城児童公園があります。
タコ滑り台がシンボルなのですが、本ブログとしてはまず出入口の巨大な擬木看板の残骸が目に入りました。
おそらく、かつては変形A字型のパーツに支えられるように園名板や掲示板などが取り付けられていたものなのでしょうが、肝心の部分がなくなっておりフレーム部分の擬木だけが目立ちます。が、いつもながら沖縄のコンクリート擬木の技術は高く、ツルッとしながらもゴツゴツした樹皮の感じがよく出ています。
中央部の赤い部分も、ジッと見ていると実際はそこにはない線が脳内で補完されて、沖縄ならではの”Aサイン”もしくは”五芒星”のように見えてくる謎現象に襲われます。
さて園内。ほぼ三角形をした敷地の1辺にタコ滑り台を中心に遊具を集め、残った部分は草敷きの広場という構成です。
タコ滑り台はここ10年くらいの間に塗り直されたようで、淡いピンクのパステルカラーが黄色っぽい人研ぎ部分の色あいと調和しています。
これまで見てきた中では、塗り直しの時に真っ赤や真っ青になってしまうタコが多いのですが、この色も良いですね。タコ特有の曲線の柔らかさに合う色だと思います。
吸盤部分の輪っかは、ボディと同じ色でベターッと塗られてしまうことが多いのですが、ここのタコはひとつひとつ丁寧に塗り分けているところも好感が持てます。
ただ、大面積をしっかり塗装するタコと比べると、周りの砂場に住んでいる小ぶりな動物たちの塗装は難しいようで、パンダやライオンはいささか面白い表情になっていました。
やはり目が難しいんでしょうね。パンダはアイシャドーバッチリ目、ライオンは死んだような奥目になっています。「人形は顔が命」とはよく言ったものです。
サボテン、岩、向こうにラクダ。でもラクダが住んでいるアラビアや北アフリカの沙漠には、サボテンは生えていないと思います。
トイレもなんだか晴れやかな色合いになっています。
コンクリート遊具が面白いのでその話ばかりになってしまいましたが、ブランコやシーソーなどの遊具も揃っていました。
さらに、この盛土山も本来は遊具の一部として築かれたものと思われます。
よくわからないのは、この盛土山の上下に置かれた2つの構造物。
山の頂上にある方は、遊具のコンクリート基礎のように見えますし、周りにコンクリート擬木の柱跡のようなものも見えるので、かつては滑り台やターザンロープのように高低差を使う遊具が設置されていたのではないかと思います。
山裾の方の構造物は、パッとみた感じは井戸囲みのようです。
園内の公園施設とは異なるサンゴ石を使った素材感、園地とは区切って特別扱いする舗装などから考えても、この集落にとって意味のある共有井戸がまずここにあって、その周りの土地を公園へと発展させたのではないかと考えます。
であれば、ここが与那城児童公園発祥の地ということになります。
と、勝手に発祥の地を見つけてしまった西原町の与那城児童公園でした。
(2021年11月訪問)
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