No.2971 岡(オカ)公園から東へ300~400mほど離れたところにある岡東公園。
でも読み方はオカヒガシではなく「コウトウ」で、子供たちにはかなり難しい音読みが採用されています。

和歌山市では戦災復興事業の中で小学校と公園とをセットで整備することが多かったのですが、ここもそのパターンで、西にフェンス一つを隔てて市立広瀬小学校が隣接する学校公園スタイルになっています。

しかし今回ばかりは、学校公園の話をしている場合ではありません。なんといっても、この巨大な石の山遊具ですよ。
No.2971では遊んでいる子供がいたので思うように近寄って観察できなかったのですが、こちらは空いていたのでじっくりと向き合うことができました。

No.2971のものと比べると細部では違いもあるのですが、基本的なつくりは同じです。
5メートルを越える高さの石の山遊具で、頂上には一本足の屋根が付いています。この屋根の部分がNo.2971よりも細身のものが採用されているので、全体的なボリューム感はやや抑えられています。

No.2971には無かった、頂上まで登れる階段が付いているところも大きな違いです。No.2971ではどうにかしてガケかハシゴを登らないことには頂上から滑り台で遊ぶことができなかったのですが、ここのように階段があれば幼児でも滑り台まで行くことができます。

まぁでも、ガケを登れないような小さなお子さんが滑るには、ちょっと急すぎると思いますが。

階段以外のガケ登りパーツには、手すり、鎖、ハシゴなどがあるのですが、どれも頂上から見ると「ホントにここを登ってくるの?」という角度です。

頂上から下りる滑り台は2本付いていますが、形はほぼ同じです。
滑り出しはやや緩やかなものの、中盤でギューンと加速して、減速部がやや短いのでおそらくは滑り台の外に足が出てから止まると思います。

この面は、No.2971では鎖が1本だけで寂しい気がしたのですが、ここでは鎖は2本、手すりもついています。日本海軍の大和と武蔵も、同型艦とはいえ装備は結構違っていたそうなので、ここもそういうことなのでしょう。

山そのものの形が面白いのは、この角度でしょうか。単純な山型ではなく、尾根あり、深い谷あり、小さな滑り台の付いた前山ありと、造形の工夫がよく伝わってきます。

今の安全基準ではまず作れない高低差、ガケの角度、手すりの隙間などが魅力に感じてしまうのは、非常にジレンマでもあります。

頂上から園内のグラウンド方向を眺めたところ。住宅で言えば3階部分にあたる高さなので、かなり遠くまで見渡せます。
手前に見えるサクラが咲き誇る季節になれば、もっと楽しい光景になることでしょう。

石の山遊具に気を取られすぎましたが、脇を固める遊具もあるので見に行きましょう。

まずこちらはゾウ型の滑り台とジャングルジムの複合遊具。

上向きに反り返った牙がとても立派で、現代のゾウというよりもマンモスを思い起こさせます。
そして、その牙部分の接合が心配だったのでしょう、細い鋼線のようなパーツで上から斜め吊りにする形で補強してあるところに職人さんの工夫が見られます。

このようなタイプだとジャングルジム部分が鉄パイプだけになってしまいがちなのですが、ここでは真ん中にデッキ状の通路も通してあって、滑り台まで渡りやすくなっているところも気配りポイントです。

こちらはジャングルジムというほどでもない、不思議な形のラダー遊具です。
キノコ、あるいは宇宙船?

滑り台は、120度くらいの内角で広がる富士山型。

ブランコやシーソーは標準的なものが設置されています。



遊具ではないのですが、和歌山市街地の公園ではよく見かける幼児用のプールもありました。

小さなものですがシャワーもあって、しっかりとプールの体をなしています。

あと、忘れちゃいけないのがキノコの四阿。林の中でいい存在感を出しています。

とは言え、やっぱり見るべきは巨大石の山遊具。
これだけを目当てに遊びに行ってもよい岡東公園でした。

(2021年12月訪問)

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