2935/1000 浜甲団地公園(兵庫県西宮市)

2022/02/15

身近な公園 西宮市 兵庫県

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ハマコー団地公園は、西宮市南部の浜甲子園団地にあります。
ブログ作者の世代では「ハマコー」と聞くとお騒がせで有名だった浜田幸一元衆院議員が思い浮かぶので、ちゃんと「ハマコウシエン」とフルネームを名乗って欲しいところですが、地元でそう呼ばれているのなら仕方がありません。

この公園はつい最近に大きく拡大された模様で、もとは0.6ヘクタールくらいの規模だったものが、今は2.0ヘクタールくらいに広がっているようです(図測による)。ただ、この記事の執筆時点で西宮市の公表資料は更新されておらず、いつ頃、どの程度広がったのか正確なことは不明です。

そもそも、甲子園球場の南に広がる浜甲子園団地は、日本住宅公団(現・UR都市機構)などが開発し、1960年代初めから入居が始まった歴史の古い団地です。
完成後は約31ヘクタール、約150棟の建物に1.5万人ほどが暮らした巨大団地でしたが、21世紀に入ってから徐々に建て替えが進み、新しい町へと姿を変えつつあります。団地全体が賃貸でありURの考え方を反映しやすい状況だったため、再開発にあたっては一律の開発ではなく高層住宅や戸建てなども交えた形に変貌し、オープンスペースも公園、緑道、市民農園、民有緑地など様々な姿のものが整備されました。

その際に、浜甲団地公園は団地全体を東西に貫く幹線緑道のような形で整備された模様ですので、東の方から順に進んでみます。

まず敷地の東端、鳴尾川堤防沿いの遊歩道から繋がるところに50~60メートル四方ほどの広場があります。
広さはそこそこあるのですが、中心に大きな植桝があったり、外周部は堤防につながる緩傾斜地になっていたりして、スポーツ利用には不向きになっています。まぁスポーツグラウンドは近くに何ヵ所かありますので、ここはあまり騒がしくない利用と積極的な通り抜けを促したいようです。

広場の周りに、ポツリポツリと遊具や砂場、健康器具などもあるのですが、空間の広がりに対して小さめの遊具が採用されているのでやや落ち着かない感じもあります。

堤防近くはたくさんの桜が植えられており、訪ねた時には十月桜が花を咲かせていました。思うに、コスモスを「秋桜」と呼んだ人は、十月桜のことを知らなかったのでしょう。

そして、この広場の南から、公園は敷地幅20メートルくらいの緑道型に姿を変えて、約600メートルほど西の方へとまっすぐ続いていきます。
実際に歩くのは中央の幅4~5メートルほどの舗装部分で、両側は植栽帯になっています。まだ新しい公園なのですが、はじめから高さ4メートルくらいある高木がたくさん植えられており、とても落ち着いた景観をつくり始めています。

しばらく進むと、やや古い建物の並ぶ一角に出ました。どうやら元々からの団地センターの建物はそのまま残して、前面の広場部分だけをリニューアルしているようです。
集会所などを備えた団地センターは、昔ほども賑やかではないのでしょうが、それでも交番や郵便局なども入っており、団地には欠かせない施設です。

ここに、戦前の鳴尾競馬場の記念碑がありました。

■碑文より「鳴尾競馬場跡記念碑」
明治40年11月当地に「関西競馬場」(通称西浜競馬場) 開設される。
又、明治41年6月「鳴尾速歩競馬場」(通称東浜競馬場)が鳴尾川を挟んで開設される。明治時代に鳴尾の地には二つの競馬場が存在した。明治43年7月に両競馬場が合併して阪神競馬倶楽部・鳴尾競馬場となる。
その後同競馬場のトラック内は民間飛行場や鳴尾運動場 として利用された。
大正6年から大正12年まで全国中等学校野球大会(現在の全国高等学校野球大会)の会場ともなった。
昭和12年に日本競馬会阪神競馬場となる。当場所は当時の競馬場内の中心に位置して北側には今も戦前の優美さが漂う一等席の五階建て一号馬見所跡(現在の武庫川女子大学・芸術館)を望み当時の広大な競馬場が想像できる
平成31年4月吉日建立 嗚尾文化協会

団地センターを通り越しても遊歩道はだいたい同じ調子で続きますが、さっきまでは遊歩道の外の片側が車道になっていたのに、このあたりからは両側が住宅になって、より落ち着きが増します。
並木道の先に六甲山まで望むことができ、歩いて楽しい道です。でも両側の樹木が大きく枝を張るようになると、また違った雰囲気になるかも。

こんな感じの長いベンチが沿道の所々にあって、昼休みにお弁当を食べるのなんかにも向いています。
背景の空き地は、まだ建て替えが進んでいない区画です。

鳴尾川沿いのスタートから700メートルほど歩いて、西端にまでやってきました。ここにも東端と同じくらいの大きさの広場があります。
でも、こちらの方がはっきりと遊び場型の公園にしようという意図が感じられ、また広場の真ん中を通り抜けなくても行きたい方向に行けるようになっており、東端の広場よりも良い設計になっています。

いま来た方を振り返り、これからの新しい街づくりに思いを馳せる浜甲団地公園でした。

(2021年10月訪問)

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