2832/1000 宇茂佐原公園(沖縄県名護市)

2021/09/22

沖縄県 身近な公園 名護市

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No.2830で登場した名護市の宇茂佐地区ですが、海岸から数百メートル入った丘陵上では区画整理事業が行なわれ、「宇茂佐の森」と名付けられた新しい街が生まれています。宇茂佐は町名としては「うむさ」と読むのですが、あたりのマンション名などを見ていると地元では「うんさ」と発音するようです。

名護市街地の方から来ると、その街の入口右手にあるのが宇茂佐原公園です。

公園名は「うむさばる」と読むようです。親切に、園名板にふりがなが打ってありました。

園名石の裏側には「あ うん の意気投合」と刻まれています。
これだけでは今ひとつ何を語りかけたいのかよくわかりませんが、向田邦子さん脚本のテレビドラマとはとくに関係ないと思います。

園内は非常にシンプルで、敷地の半分くらいが草敷きの広場、もう半分が2つの巨大なモニュメントで占められており、トイレや四阿はありますが、遊具はひとつもありません。
なにか式典めいたことを行なうには適していますが、普段は子供のサッカー練習くらいに使うイメージでしょうか。

巨大モニュメントの1つめは、大きな御影石が2つ向かい合っているような作品。これだけ縦に細長いものを安全に固定するには、地下の基礎もしっかりしていないといけないからか、1.5メートルくらい持ち上げたところに建っているため、現地で見ると相当大きく見えます。
そしてこの形。園名石を見てきた後なので、だいたいわかります。「阿吽」を抽象化しているのですね。

以前にNo.1993 糀台公園でも登場した、パブリックアート界の重鎮である速水史朗さんの作品、作品名もそのまま「阿吽」だそうです。
この公園では、なぜか阿吽の呼吸が重要視されているようです。

それはこの町が、区画整理事業で誕生した町だということと何か関係があるのかも知れません。事業中はきっと色々と複雑な調整事が多くて、みな「阿吽の呼吸」に思いを馳せたのでしょう。

■区画整理の公園
この記念碑は、名護都市計画事業宇茂佐第二土地区画整理事業の竣工を記念して建立いたしました。当地区は名護市の中心市街地から北西部に位置し、起伏の差が激しい地形でほとんどが農地・山林等の土地でありました。
既成市街地に隣接していながら公共施設が未整備であったこの地を、多くの地権者の同意の下に土地の有効利用と地域の発展を願って、平成5年3月に沖縄県知事の認可により組合を設立し、本事業をスタートしました。
道路・公園などの公共施設の整備改善を行い、快適で人と自然にやさしい住環境の整備を図ることを目的に事業に取組み、名護市字宇茂佐・字宮里・字屋部と三区の一部を区域とした新しい街が完成しました。
昭和58年頃に話しが持ち上がった時から、長年にわたり、多くの関係各位のご理解とご協力に対し深く感謝の意を表するとともに、子供から高齢者まで未来永劫、安心して暮らせる街となるよう希望します。
平成23年3月吉日 名護市宇茂佐第二土地区画整理組合

ただまぁ、大きな事業になればなるほど、気心が知れたもの同士の「阿吽の呼吸」だけではなく、きちんとした理詰めの話し合いも重要だとも思います。声の大きな人ばかりが話して、それを押し黙って聞く人が並ぶような会議はよくないでしょう。

もう一つの巨大モニュメントは、高さ4~5メートルあるカスケード調の噴水です。
頂上部分が草茫々になっているのは、そういう演出なのでしょうか。

訪ねた時は水が止まっていて、池の部分には壊れたフェンスのようなものが置かれていたので、長い間稼働していないのかも知れません。

この龍の口から水が吐き出されて、階段を下っていく形の噴水になっています。

龍の両脇には陶製のシーサー。遠いので、現地では今ひとつよく見えませんが、カメラのズームを効かせて撮影してみると、かなり手の混んだ精巧な作品です。
四本脚ですっくと立ち、胸や足の筋肉質なところが際立っています。

一段下になにかが置かれているので、現地では全く読めませんでしたがとりあえず撮影してみると作者の銘板でした。
宮城秀雄さんは、沖縄在住の著名なシーサー作家の方です。

木陰になるはずのサークルベンチの中央の樹が枯れていた宇茂佐原公園。
ただ、もともと中央の植桝が小さくて、あまり大きな樹は育たないように思うので、そこはなんとかしてあげたいところです。

(2021年7月訪問)

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