2702/1000 長田区駒ケ林の遊び場(神戸市長田区)

2021/04/12

玄関出たら公園の家 神戸市長田区 身近な公園 兵庫県

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長田区駒ケ林は古くからの漁港で、1961年(昭和36年)に浜が埋め立てられて新港(長田港)ができてからは工業港としての側面も持ちつつ今に至ります。
でも今も、港の中心部は漁船ばかり。毎日のように競りも行なわれています。

そんな駒ケ林は戦災・震災の被害をあまり受けていないため、漁村ならではの細い路地が複雑に入り組んだ街なみが残っており、神戸市街地の中でもかなり個性の強いものとなっています。

そんな町の一角に、5×70メートルくらいの極端に細長いオープンスペースがあります。正式名称がわからないので「長田区駒ケ林の遊び場」と呼びます。
この地区にしては少し広い道と、家一軒分くらいの幅の緑地が一体となって、浜から奥にチラッと見えている旧・駒ケ林公会堂まで通じている形です。

こうした土地利用は、戦時中に行なわれた「建物疎開」(焼夷弾による延焼を防ぐために混み合って建つ木造住宅を強制撤去して防火帯をつくる施策)の名残であることが多いように思いますが、ここが本当にそれ当たるのかは知りません。
ただ、建物疎開で撤去された住宅の跡地は、戦後には所有者に返還されることもあれば、都市計画上の必要で道路や公園用地として自治体に買い取られる場合もありますので、ここは後者にあたるのではないかと想像します。

南北に細長い敷地は、中程に一般道が入って南と北とに分かれていますが、南側にはジャングルジムと鉄棒があります。

鉄棒の横手で公園に面して建つのが大海湯。「たいかいゆ」と読むのでしょうが、漁師町らしい良い名前だと思います。
仕事を終えたら一風呂浴びて、外の公園の木陰で一休み。仲間と無駄話に花を咲かせているうちに、家族が「もうご飯だから帰っておいで」と呼びに来る...なんて光景が勝手に目に浮かびます。

ここから北には、滑り台と4連ブランコが設置されています。
奥に見えている白い建物が、この間までは保育所だったので、その時にはけっこう遊具の利用も多かったのではないかと思います。

北端の突き当りにあるのは保育所として使われていた旧・駒ケ林公会堂(の裏口)。設計は旧・生糸検査所(Kiito)や御影公会堂など神戸の著名建築も手掛けた清水栄二です。
公会堂としての利用が終わった後に、保育所用に写真右側部分が増築されているのですが、これからは本体部分だけを残す方向で新たな活用方策が探られている段階です。

今の最新の公園と比べれば狭いし、住宅が近すぎてできる遊びにも限りがあるのですが、見方を変えれば車が入ってくることもないし、ご近所さんの目が届きやすいしで、子供やお年寄りが安心できるけっこう良い場所になっている長田区駒ケ林の遊び場でした。

(2020年12月訪問)

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