2543/1000 田コロ児童公園(東京都大田区)

2020/09/23

狭小公園 大田区 東京都

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田園という長閑な言葉に、コロシアム(闘技場)という陰惨な響きさえある言葉を組み合わせたアンバランスさが印象的な「田園コロシアム」は、東急・田園調布駅近くに1936年から1989年まで存在した多目的競技場です。本来はテニスクラブの観客席付きセンターコートとして建設されたものなのですが、数々のスポーツや音楽イベントの会場にもなってきました。
とくにブログ作者にとっては、1981年(昭和56年)9月23日に昭和のプロレス大勝負、アンドレ・ザ・ジャイアントとスタン・ハンセンの一戦が行われた会場として記憶に残っています。

原田久仁信・画「田コロ伝説の舞台裏」より

当時の周辺状況を1979年の空中写真で確認すると、今もある田園調布小学校のすぐ南にコロシアムがあり、その東・南はテニスコート、西は東急東横線の線路が通っていて住宅群とは若干隔てられているとはいえ、それでも住宅地ど真ん中になっており、すでに大型イベントを実施するには大変な状況になっていたのではないでしょうか。

国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より/整理番号:CKT794/
コース番号:C17/写真番号:22/撮影年月日:1979/10/20(昭54)

ということで、ハンセンとアンドレの一戦が行なわれてから10年も経たないうちにコロシアムは廃止され、跡地に大規模マンションが建てられました。
田コロ児童公園は、そのマンションと、今も残るテニスコートとの間に挟まれた狭小な公園です。

マンション開発に伴って整備される開発提供公園だと思われ、間口が5~6メートル、奥行きが15メートルほどの小さなものです。

ここにアンドレとハンセン、合計体重400kgがいたら、もうそれだけでいっぱいいっぱいな規模です。

植栽、スツール、水飲み場のほかには、これといった施設もなく、坂道を上るのに疲れた人が休憩するくらいの使い道かと思われます。

公園名のほかには田園コロシアムの名残と呼べるようなものはないのですが、あえて言えば、この階段状の物件がスタンド席っぽい雰囲気を出しているところがそれにあたるでしょうか。

夢のようなビッグマッチが行われてから39年。
アンドレ・ザ・ジャイアントが1993年に亡くなってからでも、すでに27年。
昭和は遠くになりにけりの田コロ児童公園でした。

(2019年10月訪問)

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