1943/1000 大開公園(大阪市福島区)

2018/11/03

身近な公園 石碑めぐり 大阪市福島区 大阪府

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ずいぶん前に神戸市兵庫区にあるNo.1110 大開(だいかい)公園を訪ねましたが、本日は大阪の野田阪神から少し西へ離れた大開(おおびらき)公園です。

野田阪神から少し西へ離れた大開地区は、若き日の松下幸之助が「松下電機器具製作所」を創立した地であり、その記念碑が公園のエントランス部分にデンっと建てられています。

四つ角に面したメインエントランス、そして福島名物のノダフジが繁る立派なパーゴラの下に、記念碑。
通常であれば、この位置には人が座って憩うためのベンチを置くべきだと思いますが、ここでは記念碑優先です。

この記念碑が、けっこうデカい!そして記念碑の両脇に解説のための碑が2つも!
昭和の終わりとともに亡くなった方ですが、「経営の神様」として戦後日本を象徴する人物であり、彼に薫陶を受けた、あるいは憧れた人がまだまだ多いので、記念碑に関わった方々の情熱がほとばしっている様子が伝わってきます。

記念碑は両A面とでも言うべき仕様で、園外から見ると、おそらく松下幸之助の書なのでしょう、「道」と書かれたプレートがはめ込まれています。文章も著書からの引用でしょうか。

「道」
自分には 自分に与えられた道がある
広い時もある せまい時もある
のぼりもあれば くだりもある
思案にあまる時もあろう
しかし 心を定め
希望をもって歩むならば
必ず道はひらけてくる
深い喜びも そこから生まれてくる

松下幸之助

そして園内から見ると「松下幸之助創業の地」と刻まれています。

ちなみに解説板のひとつ「周辺地図」によれば、この場所は「第二本店・工場」の跡地にあたるそうです。

もうひとつの解説板は、創業の地の由来書き。
松下幸之助が、小学校の保護者会会長や区会議員も務めていたというのは意外な事実かも。

■記念碑「松下幸之助創業の地」由来
 この地大開は、松下電器産業株式会社の創業者 松下幸之助氏が大正7年 (1918)3月7日、同社の前身「松下電気器具製作所」を創立した創業の地です。のちに経営の神様と呼ばれ世界中にその名を馳せた松下幸之助氏は 23歳の若さで配線器具の製造・販売を始め, 昭和8年(1933)に門真市に移転するまでの15年余をこの地で過ごし、事業の進展とともに逞しく大開から巣立っていきました。
 松下幸之助氏は大開の人情や風土に育まれ, 大開小学校の保護者会会長や 大正14年(1925)には区会議員に当選するなど、 文字通り大開の一員として充実した日々を過ごしました。松下電器の業容の発展にともない移転を余儀なくされたものの、終生本籍をおいていたことが物語るように 大開は同氏ときわめてゆかりの深い土地であります。
 平成15年(2003)3月、大開連合町会は, 大開に松下幸之助氏の事蹟を偲ぶよすがもないという現状に鑑みて、福島区「大開町と松下幸之助に 関する事業」委員会を結成し、その一貫としてかつて松下電器製作所の第二次本店・工場のあったここ大開公園に記念碑「松下幸之助 創業の地」を建立することを発意しました。
 松下幸之助氏の記念碑を建立することは大開の願いと誇りであると共に 一企業の創業者にとどまらず, 社会, 経済, 国家や人間のあり方についての 思索, 探究を重ね, 世界文化の進展に貢献しようと諸活動を続けた同氏の 類いなき功績を顕彰するものとして大きな意義があるものと考えます。
 この趣旨に沿い, 広く一般有志の皆さまにご協力をお願いしたところ 多くのご賛同をいただき, 平成16年(2004)11月27日, 同氏生誕110年の よき日に, 生誕の地和歌山を代表する緑泥片岩を碑石としてこの記念碑を 建立し, 大阪市へ寄贈することができました。
 ご支援をいただきました皆さまに, 心より感謝と御礼を申し上げます。
  建立 : 平成16年(2004)11月27日
  福島区「大開町と松下幸之助に関する事業」委員会
  協力  松下家
  協力団体
      大開連合町会 福島区地域振興会
      福島区歴史研究会 大阪福島ライオンズクラブ
      松下電器産業株式会社 松下電器松愛会 松下電工松寿会
  設計・施工 株式会社乃村工藝社

さて、そんな記念碑関係の熱い想いが強すぎて目立たない園内ですが、幼稚園に隣接する小公園として、幼児向けの滑り台、ブランコ、砂場などを備えています。

訪れた時は門が閉じていましたが、掲示板なども丁寧に貼られており、この出入口から幼稚園へ通う子供も多いことがうかがえます。

幼児用滑り台は、大阪市内に多い幅広タイプではなく、普通の滑り台をそのまま低くしたようなタイプです。

ブランコも幼児用バケット式。

砂場は、まぁ普通ですね。

なにごともなければ街なかの普通の公園だったのでしょうが、思いがけず記念碑がやってきたことで、新たな道が大きく開かれた感のある大開公園でした。

(2018年6月訪問)

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