355/1000　みなと公園（神戸市中央区）-日本1000公園

「みなと公園」という名の公園は全国あちこちの都市にありますが、神戸市のそれは、神戸開港当初の姿をかすかに残す海岸沿い、その名も波止場町の一角にあります。

ミナトコウベとは言うものの、海岸線の埋立や人工島の建設で市街地から港への距離はどんどん遠くなるばかりです。その中で、みなと公園からは隣に建つ水上警察、合同庁舎、水先人会などの関連の船（警察船、海保巡視艇、パイロットボートなど）が集まる船だまりが眺められるので、私のお気に入りスポットです。

訪れた時には、船だまりの先でカッターボートの競争が行われていました。

このあたりは幕末の神戸海軍操練所（江戸幕府による訓練所、造船所、兵学校の複合施設）の跡地でもあるため、これの記念碑や、在籍した陸奥宗光の顕彰碑なんかも建っています。

こちらの黄色い花がわずかに残る樹は、イペと言います。花の時期をすぎていたのでこんな写真ですが、開花期には樹全体が黄色く見えるほどたくさんの花が付きます。
ブラジルの国花とも言われるこの樹は、2008年のブラジル移住100周年を記念して、かつてブラジル移民の旅立ちの場であった神戸港から、山手にある旧・神戸海外移住センターまでの間の道沿いに植えられたものです。

と、こんな感じでのんびりできる公園なのですが、写真奥に見える水上警察（白い建物）が移転、その奥にあって海保が入る合同庁舎も移転が検討されており、近い将来に周辺状況が変化するものと思われます。
庁舎移転→再開発は構わないのですが、警察や海保の船がいなくなってしまうと肝心の港の雰囲気がどこかへ行ってしまうので考えものです。観光船やヨットなんかではなく、生活や仕事に密着した船が溜まっているのが魅力なので。