4021/1000 広尾防災公園(千葉県市川市)

2025/08/21

市川市 身近な公園 水遊び場 千葉県

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都市公園には、多かれ少なかれ防災に果たす役割があるものですが、とくに救援や広域避難など、他の公園や施設を支えるような機能を計画的に取り入れた公園が「防災公園」を名乗ることがあります。
2010年(平成22年)に開園した、市川市の広尾防災公園も、その一つです。

場所は市川市域ですが、中川と旧江戸川の合流点沿いで、市川市、浦安市、江戸川区のどこからもアクセスできるところにあった工場跡地を買収して整備された、約3.7ヘクタールの公園です。
混み合った市街地では、まずこの広さが重要ですので、良い土地が手に入ったものです。

防災公園の場合、日頃は普通に使える公園施設に、いざという時の機能が当てはめられたり、災害時に威力を発揮する設備が隠されていたりします。
例えば、フルサイズ1面の人工芝のサッカーコートは、災害時には緊急用ヘリポートとして使われます。またヘリが飛んでくるのは一時のことですので、それ以外は避難広場になるでしょう。

芝生広場は、普段は遊びやバーベキューなどに使えますが、ここも災害時は一時的な避難に使えます。

こちらの管理棟は備蓄倉庫と一体化しており、災害時にも支援拠点的な機能を果たせるとともに、2階に広い部屋があるので、避難所として使うこともできます。

横にある池は、防火用水に。ほかに、公園の地下には飲料用の耐水性貯水槽も隠されています。

川側の駐車場に近い一角は、舗装された広場。普段はちょっとしたイベントや休憩に使うようなスペースですが、災害時は支援物資の集配などに使います。

そこに面して建つ防災パーゴラは、屋根と柱とにテント生地のようなものを取り付けられるようになっており、すぐに建物替わりに使えるようになるものです。
横に配電盤があるので、なにかしらの電気系統も引き回してあるようです。

すぐ横には太陽光発電装置もあるのですが、これはまぁ、平成中頃の技術の見本みたいなもので、今見ると、それほども発電能力は高くないと思います。

だいたい、スマホを充電できるようになっているのですが、USBタイプAが合計6口あるだけなので、何千人も避難してきたら、すぐに揉め事の原因になってしまいます。こうした点からも、あくまで見本と割り切っておく方が良いでしょう。

ほかにも、時計は風力プラス太陽光のエコ発電で動いているなど、実用性もさることながら、防災とか、それに絡む自然との調和、人の和などを訴えるアイテムも導入されています。

「人の和などを訴えるアイテムとは何か」ということなのですが、災害時には隣近所をはじめ皆で助け合うことが大事なので、普段から公園のバラ園のお手入れを通じて、顔見知りを増やすような試みがなされているのです。

もっとも、そんな教訓めいた話ばかりでも息が詰まるので、気軽に遊べる複合遊具や、水遊び場などの日常的に楽しいアイテムもたくさん置かれています。

訪ねたのが12月なので、まったく水遊びの雰囲気は伝わってきませんが、この石から四方に水が吹き出る構造になっているようです。

いつかくる災害に備える広尾防災公園でした。

(2024年12月訪問)

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