4016/1000 天王洲公園と東品川海上公園(東京都品川区)

2025/08/16

港にある公園 身近な公園 東京都 品川区

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品川区の天王洲(てんのうず)公園は、天王洲アイル駅の目の前にあるグラウンド中心の公園で、東品川海上公園はその南に続き、目黒川河口を挟んで南北に分かれる公園です。
東品川海上公園の中心部は目黒川の南側で、そちらは絵本でおなじみのミッフィーちゃんの花壇や遊具がたくさん取り入れられた魅力的な場所なのですが、今回はそこまで行かず、天王洲公園と地続きのところまで訪ねます。

ということで、まずは天王洲公園。
野球とサッカーの兼用グラウンドが2つあって、大きい方はフルサイズのサッカーと野球場2面の兼用、小さい方は野球場1面とフットサル2面の兼用となっています。下の写真は「大きい方」。

文章ではわかりにくいので、現地の案内板を借りると、こうなっています。
どちらも変形敷地に巧みにグラウンドをはめ込んでいるのですが、「小さい方」でも両翼80メートルくらいはあるので、立派なサイズです。

こちらが小さい方のグラウンド。
隣接地は港の倉庫なのですが、壁面にカラフルな壁画が描かれています。

殺風景になりがちな場所を彩るストリートアートの活動のようで、園内の倉庫にも、また別の方の作品が描かれていました。

そのまま「小さい方」の脇を通り抜けて、天王洲運河沿いの一角までくると、小さな遊び場がありました。
小ぶりな複合遊具とブランコ、ベンチなどがありますが、グラウンドを使いに来た人たちがついでに遊ぶというよりは、隣の都営アパートから遊びに来るような位置と規模です。

すぐ横にある天王洲運河の水門を眺めながら南下すると、その先は東品川海上公園へと区域が変わります。ひと続きの土地なのに、どうしてそんなことになっているかと言えば、海上公園の区域の方が、後の時代になってから土地が生み出されたからです。

もともと天王洲は、目黒川河口付近にできた洲の一つだったのですが、昭和前期に埋め立てられて倉庫や工場が並ぶようになり、戦後には現在の公園の原型となるグラウンドも作られます。
その後、1980年代も半ばになると、東京臨海地区の各地で再開発の機運が高まり、港湾や倉庫の機能見直しが始まったことで、現在の東品川海上公園の区域が埋め立てられて、公園の中を通って目黒川河口の南北岸を行き来できるようになります。
地理院地図(電子国土Web)で1984~1986年撮影の空撮を見ると、島の南西角がまだ埋め立てられていないことがわかります。

https://maps.gsi.go.jp/ よりキャプチャ

それが、同じ地理院地図で2009年の写真を見ると、角が埋め立てられて東品川海上公園ができ、対岸へと人道橋が架かった様子がよくわかります。

https://maps.gsi.go.jp/ よりキャプチャ

さて、その東品川海上公園ですが、公園の規模としては対岸(南岸)の地区のほうがずっと大きく、北岸は少しだけ小高い丘が作られて、運河や対岸を眺めるような小園地になっています。
が、そこに唯一置かれた巨大コンクリート遊具が、得も言われる味のあるものになっています。

青いクジラが、白い波を蹴立てて泳ぐさまを模したもので、遊びの機能としては、大小の滑り台、そこへ至る階段やトンネル、ガケ登りなどが複合したものです。

「品川と言えばクジラ」という構図は、クジラ型1の遊具があった鯨塚(利田神社)の回でも登場しましたが、1798年(寛政10年)に江戸湾奥の品川沖にまで迷い込んだ体長16メートルにもおよぶクジラが捕らえられ、江戸っ子たちに大きな話題を呼んだという逸話にちなんだものです。

しかし何も知らずにやってきて、後ろから全体を眺めると、クジラというよりも軟体動物系の遊具にも見えてしまいます。

後ろの方の、直線で長い滑り台と、ゆるく弧を描く滑り台。

滑り台まで登っていくルートも、傾斜の緩急、ガケ登りのホールドの形状などが色々あって、年代や体力、その日の気分に応じて使い分ける事ができます。

クジラの尻尾の部分は、遊具としては地味ですが、奥の水門に描かれたクジラの絵とあわせて眺めると、これもアートの一部のように感じられてきます。

クジラの上にかかるフレームは、日除け屋根をかけるためのものでしょうか。
非常に特徴的で、少し遠くからでも遊びに行く甲斐がある遊具なので、それくらいはやってあげても良いかも知れません。

そしてクジラの横からは、南岸へと立派な人道橋が通じています。

振り返ればクジラがいる東品川海上公園と天王洲公園でした。

(2024年12月訪問)

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