神戸市東灘区に、朝日新聞設立者で茶人でもあった香雪村山龍平が収蔵した美術品を中心に収蔵する香雪美術館があります。下写真で右手の玉石垣の敷地が、それです。
そして、本ブログを始めて間もない頃に、この美術館の北側にあるNo.19 香雪の杜を訪ねましたが、この垣内公園は、香雪美術館の南側、つまり美術館を挟んでNo.19とは真反対にある小公園です。
文章にするとわかりにくのですが、曲がり角にあたる直角二等辺三角形のような敷地を使い、そこをショートカットで通り抜けたい歩行者のための動線を確保しつつ、それ以外の部分にはせせらぎと緑とを上手に置いて、修景要素が強い街かどのポケットパークとしています。
ですので、はっきりとした利用空間は少なく、散歩の途中に、ちょっと一休みをするくらいの場所となっています。
とは言え、上写真の中央にある石のベンチでは夏暑く冬冷たいので、こちらの一般的な形のベンチで休むほうが良いでしょう。
園内のせせらぎは、阪神・淡路大震災の後に、神戸市が防火帯・防火用水としての意味合いも込めて市内何箇所かで整備した”せせらぎ水路”の一つで、この公園から出発し、歩道沿いに100メートルほど下の山手幹線の付近まで流れていきます。
付近には、もともと住吉川から分水した水路が通され、明治時代までは水車小屋も多かったので、そのうちの暗渠化されたものの一本が顔を出しているのではないか、と思うのですが、現地の案内板にも詳しいことは書かれていませんでした。
■現地の案内板より
阪神・淡路大震災は、私たちに「水」や「みどり」の大切さを教えてくれました。神戸市では、この教訓を活かして「水とみどり」が豊かで災害に強い、安全で安心なまちづくりをめざしています。このせせらぎ水路は、皆さんのうるおいと安らぎの場所として、そして生き物にとってもやさしく、災害時には消火用水や生活用水としても利用できるように整備しています。この事業は、国土交通省、兵庫県の協力を得て、「水とみどり」を活かしたまちづくりのモデル事業の一つとして行っています。(2001年7月 神戸市建設局)
落ち着いた住宅街に、和モダンな彩りを添える垣内公園でした。
(2024年8月訪問)
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