鳥取県東部の岩美町にある網代(あじろ)は、蒲生川の河口両岸に連なる小さな港町です。
山に囲まれた河口北側が江戸以前からの集落と港で、現在の主力になっている河口南側の港は明治末以降に砂丘地を造成してつくられたものです。
付近は海食地形が美しく、山陰海岸国立公園、世界ジオパークにもなっており、海岸線を巡る遊覧船もこの港から発着しています。
そんな小さいながらも魅力ある港町の一角に、小さな公園があります。
現地には、網代漁港環境整備事業でつくられたということは看板に示されているのですがが、公園名までは書いていないので、とりあえず「網代漁港の公園」と呼ぶことにします。
漁港とは言いますが、乗合釣船やカヌー教室などもここを起点にしているようで、公園周りには色々な船が集まっていました。
この公園、古い施設はまぁまぁ古いのですが、山陰海岸が世界ジオパークネットワークに加盟した2010年以降に大きな改修を受けていると思われ、遊具広場は「遊びながらジオパークを学べる」という仕立てになっています。
つまり、それぞれの遊具が、山陰海岸の特徴である海岸、海の恵み、砂、温泉、山を表徴しているということです。
この複合遊具が、海岸。浦富海岸は岩と波の芸術です。
とは言え、屋根に「ジオパークへようこそ」というアーチが付いているあたりは、温泉街の入口のようでもあります。
揺れる遊具は、海の恵み。
悪そうな海賊船が、日本海のカニ資源を狙っています。
小型のジャングルジムは、温泉。
大地のキズが温泉をもたらしますが、上手に汲み上げるためには、櫓を組む必要があることを示しているのでしょうか。
温泉マークのラバーマットをジャングルジムの下に敷けば、安全対策にもなって一石二鳥だったと思うのですが、あえて横にずらして設置されています。
映えスポットとして、こういうアングルでの写真を撮って欲しかったのかも、などと考えてみます。
結局、マークを見かけることで「はて?」と立ち止まり、詳しいことは横の解説板で知ることになるので、学びにはそれなりの読解力が必要です。
船に乗っての遊覧も楽しいですが、ここから繋がるジオパーク・トレイルも歩いてみたい、鳥取県網代漁港の公園でした。
(2024年8月訪問)
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