3689/1000 橘公園(京都市上京区)

2024/07/19

ラジオ塔 京都市上京区 京都府 公園地蔵 身近な公園

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京都市上京区の橘公園は、区内ではNo.3686 二条公園の次に古く、1939年(昭和14年)に、当時の皇太子、すなわち現在の明仁上皇のご誕生記念事業で整備された6,100平米余りの公園です。

京都市全体で見てもけっこう古株なのですが、2013年(平成25年)に全面的リニューアル開園しており、あまり古いものは残っていません。

その中で、公園施設として明らかに古いものは、こちらのラジオ塔。昭和初期のラジオ普及期に、各地の公園に整備された公衆ラジオ放送設備です。
グラウンドの奥、細い園路脇の植え込みの中にひっそりと残されており、正面には「橘公園愛護会」と銘板が付けられています。

もう現役としての機能は果たしていないので、ラジオ塔跡と呼ぶべきかも知れませんが、高さ2メートル強の灯籠型をしており、下部本体と上部とに穴が空いていて、中を覗き込むことができます。
他の公園では、この穴の部分には格子戸が残っていたりして中まで見えないことが多いので、内部構造まで見られるのは、意外に貴重な体験です。

と言っても構造はシンプルで、下部の穴がラジオ機械や操作盤を設置するところ。当時は蓋が付いていたはずですが、留め具の跡などは見当たりません。

そこから灯籠上部に向かって空洞があって、ここにスピーカーケーブルなどを通して、上部にスピーカーを置いてラジオの音を響かせるというものです。

上部の窓には金属製の枠があるので、何かしら蓋や扉を付けることができた模様。一部には金属製の網の残骸も残っています。
窓の形が丸と四角とがあるのは、何か理由があるのかないのか。

さて、ラジオ塔ばかりにのめり込まずに、公園全体の概観も。
現在の園内は、敷地の北側1/4ほどが遊具広場や健康器具のある小広場、南側3/4ほどが大きな多目的広場、その3つの広場をぐるりと囲むように周回園路が通るという構造になっています。

遊具広場は、石の山遊具と2連ブランコ、揺れる動物遊具、砂場など。施設内容や規模からすると、どちらかと言えば幼児向けになっています。

石の山遊具は、一見すると古そうにも見えるのですが、人研ぎ部分の仕上げや設置場所の周りの状況などを見ると、リニューアル時に作り直されたものではないかと思います。
また、純粋に「山」という形にもなっておらず、滑り出し部に続いていくように全体を緩やかに持ち上げていって、最後にピョコンとした山を突き出すように盛土してあるので、本ブログで言うところの「ガケ滑り台」の要素も少し入っています。

こちらは健康器具がある小広場。遊具広場との間にはトイレがあって、空間としてしっかり区切られています。
広場の中に小さなサクラが何本も植えられているのは、子供たちのボール遊びを止めるために、再整備後にさらに植え直したものではないかと思います。

そして園路はこんな感じで、それほど幅広ではありません。2人並ぶと狭く感じるくらいなので、ジョギングの人がウォーキングの人を追い抜く時は、一声かけるべき道幅です。

結局は、この多目的広場がいちばんの目玉だと言うことになります。改修前の空撮を見ると、25メートルプールがあって変形の広場だったところを、大改修したものですが、少年であれば野球、サッカーのどちらにも使えるサイズですし、木造住宅も多く建て込んだ立地にあっては、防災面でも欠かせない場所となっています。

でも単純なグラウンドとはせずに、ケヤキの大木を残したところも魅力です。高さにすれば10メートルちょっとくらいなので、巨樹巨木というほどでもありませんが、周りに遮るものがない場所で枝をしっかりと伸ばしているので、シンボルツリーとしての存在感は抜群です。

電話ブックスへの踏石ひとつにも味がある、橘公園でした。

(2024年1月訪問)

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