仙台市青葉区の勝山(かつやま)公園は、酒蔵の家に生まれて実業家として成功し、衆議院議員や宮城貯蓄銀行(現在の七十七銀行の前身の一つ)頭取などを務めた伊澤平左衛門が、1914年(大正3年)に私庭の一部を市民に開放したことに始まり、1928年(昭和3年)に仙台市に寄贈されて、公設の公園となりました。
仙台駅から北へ約1.5km程度なので、現在は市街地に飲み込まれてしまった小公園なのですが、ケヤキ、スギ、カエデなどの大木が何本もあり、庭園だった当時の面影を伝えているように思います。
こちらが園内にある伊澤氏の胸像。台座の碑文には、昭和3年11月10日の日付が刻まれていますので、公園が市に寄付された時に、同時に胸像のお披露目もあったのではないかと思います。もうじき百周年ですね。
訪れた時の日光の都合で、肝心のお顔が影になっていることはごめんなさいです。
園内は、全体が林の下の広場状態で、夏なら木陰、秋なら紅葉に囲まれて遊ぶことができるようになっています。
遊具については、やや古めのオーソドックスなものが一通り揃っています。滑り台、2連ブランコ、ジャングルジム、鉄棒等々。
多少目を引くものとしては、小型の回転ジャングルジムがありました。
一般的な大きくて球形のものではなく、大人の胸高くらいのサイズの鳥かご型のものです。
あと、鋼製の輪っかが連なるトンネルも、程よい曲線と輪っかの彩色が重なって、いい感じに景色に溶け込んでいました。
景色に馴染むと言えば、トイレは瓦屋根になまこ壁の和風デザイン。
酒造家から寄付された公園だから酒蔵をイメージしたのかも知れませんが、近所にこうした街なみが残っているわけでもなく、やや唐突な感もあります。
お地蔵様には松ぼっくりが供えられていますが、頭の形が帽子を被ったドングリのようでもあります。
銅像と地蔵とに見守られる勝山公園でした。
(2023年12月訪問)
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