札幌市西区のJR発寒(はっさむ)駅は、北へ出るといきなり工業団地に直結しているのですが、その工業団地と隣の住宅地との境界部分に、鉄興(てっこう)公園が横たわっています。
鉄興とは聞き慣れない言葉ですが、鉄工団地とともにつくられたであろう公園のために、「鉄によって町が興る」みたいな意味合いで考えられた言葉ではないかと思います。
街区を3つ丸ごと公園にしたような格好で、幅約50メートル、長さ約600メートルに渡って続いています。
街なかの公園としては間違いなく大きいのですが、幅50メートルでは野球場には狭すぎ、エfンスは道路ギリギリのところに建てられています。
野球場がある南ブロックには、ほかにもテニスコートや半サイズのバスケットコートがあるのですが、それぞれに防球フェンスを建てており、一本化とか兼用とか、もう少し考えられなかったものかと思ってしまいます。
バスケコートとは書きましたが、肝心のゴールがないので、ポートボール用なのかも知れません。
横断歩道を渡ると、中央のブロック。ここは1/3半分くらいが遊具スペース、残りが林間の広場で、全体としては子供たちのためのブロックです。
遊具は、複合遊具が2つと、2連ブランコ、揺れる動物遊具など。複合遊具のうちの1つはレンガ積みのサークルの中に囲まれています。
こういう場合、囲まれた側には乳幼児向けの小ぶりな遊具が置かれることが多いのですが、ここのものはまぁまぁ立派なサイズ。
滑り台の高さもあるし、いわゆる階段は付いていなくてラダーで上るようになっているので、3~4歳ではまだちょっとしんどいかも、です。きっと長年の間に、遊具を入替えたり取り替えたりしているうちに、こうなってしまったのでしょう。
一方、レンガ積みの外にある方の複合遊具は、敷地に縛りがなくなって横に広がっており、1枚の写真では全体が伝わらないサイズです。
渦巻き式の滑り台、ネット橋、トンネル、登攀壁などが、クモが足を広げたような形で繋がっています。
あとは忘れちゃならないスキー山。道路が近いため飛び出すと危険だからか、公園の規模の割には小さめのものです。
そして、このあたりから北にかけて、かなり大きな樹木が目立つようになってきます。
クルミやポプラなど、公園外周の道路沿いにある樹よりも、中央付近にある樹のほうが大きく、枝先までなら30メートルくらいはありそうです。
帰ってから札幌市教育委員会編『公園と緑地』を読んでみると、”ここはかつての三谷牧場の一部であり、老木の多いところは(中略)住居の庭であった。(中略)昭和38年頃札幌市に土地を売り、庭木はそのまま残し新しい木を補って鉄工団地と住宅地とを分離する公園にしたという。”とありました。さもありなん。
さらに道を渡って、北端のブロック。ここはグラウンドグルフ場になっています。
両側が道路なのですが、グラウンドゴルフならボールが飛び出すことも少ないですし、住宅近くで使い勝手の良いコースになっているのではないでしょうか。
おおらかに地域の歴史を伝える鉄興公園でした。
(2024年10月訪問)
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