3119/1000　高塚公園（神戸市西区）

高塚公園は、西神中央の住宅地区と西神工業団地の境目あたりに整備された17.4haの総合公園です。
面積は大きいのですが、敷地の1/3ほどは湯谷池が占め、池を取り囲む林、その外側に野球場や芝生広場、エントランス広場などがあるという構造になっています。

新しく開発された団地のシンボル公園となるべく作られているので、むやみに大掛かりなアイテムが目立ちます。
もとはツルバラが絡まっていたようなのですが、それがなくなってただの網だけになっているパーゴラ廻廊とか、

野外劇場風に仕立てられているけれど駐車場からも主要動線からも外れている舗装広場とか、

なにかしらの水景施設のようだけれど、水が止まって数年は経つであろう草むらとか、

ただ長いだけで、下を歩くには狭いし、日陰で休むにはベンチもなくて使いにくい第二のパーゴラ廻廊など、「池や森のところはデザイン力を発揮できないので、エントランスくらいは存分に腕を振るいたい！」という設計者の気持ちが伝わってくるアイテムの数々です。

とは言え、作り込みが過ぎるのはエントランス付近だけで、そこから先はだんだんと自然風のところに入っていきます。

まず芝生広場。公園外周の方から、池に近い森の方に向かって緩い傾斜地になっています。
南向きの陽あたりの良い場所なので、ピクニック気分を盛り上げてくれるでしょう。

芝生の斜面を下りていった先には池に張り出したデッキスペースがあり、湯谷池の風景を眺めることができます。池はけっこう複雑な形をしているので、下写真で見えているところの何倍かの広さがあります。

池沿いの林の中には園路が通っており、一周することはできないのですが、景色を眺めながらゆっくりと散策することができます。
園路に沿った見えやすいところだけかも知れませんが、林内もそこそこ手入れされており、新緑や紅葉の季節は美しいことでしょう。

林の中をしばらく進むと、野球場や遊具コーナーのある一角に出ます。
野球場はで両翼80メートルほどで、内外野とも土敷き。でもチラホラと草が生え始めています。

遊具コーナーは大きく2つに分かれており、緩斜面地を使ったアスレチック遊具プラスローラー滑り台と、林の中の純粋階段を中心とする部分とがあります。

住宅地からはかなり離れた工業団地の中で、子供たちだけで平日に遊びに来るというよりは、休日に親御さんに連れられてくるような場所なので、同時に何人もが遊べるような大掛かりなものが設置されています。

アスレチック遊具から続くローラー滑り台も2本あって、あまり順番待ちをせずに遊べるようになっています。

滑っていく先の視界が開けているのがいいですね。お父さんたちが野球をしているのを眺めながら滑ることができます。

一方、もう1ヵ所の遊具コーナーは、上って下りることしかできない純粋階段（正確にはハシゴ段）を中心に、先程よりもう少しだけ体力が必要なものが多く置かれています。

大人の体力トレーニングにも使えそうです。

そこからまた林の中の園路を歩いていくと、ニュータウン内の幹線道路に面した展望スペースに出ます。

100メートル近い長さの階段型スタンド席で、何にでも自由に使えるといえばそうですし、こんなに長くなくても良いだろうと言われればそのとおりです。

ニュータウンから一歩離れた高塚公園でした。

（2022年5月訪問）