周囲には森要素もSL要素もなさそうな土地柄なのですが、滋賀県立体育館と武道館とに挟まれた敷地に、それはあります。
まずは、よく目立つC57機関車から。
敷地のちょうど真ん中くらいに置かれており、園内はこれを挟んで広場と遊具コーナーとに分かれています。
しっかりとした覆い屋が架けられており、保存状態は良いのではないかと思います。
もともとは、この場所にあった市の科学館に展示されていたものだそうですが、科学館移転の際に機関車だけがここに残されたそうです。
■現地の解説板より「C57形機関車 STEAM LOCOMOTIVE」
1937年(昭和12年)から1947年(昭和22年)まで旅客用として201両が誕生し、そのスタイルが美しいことから「貴婦人」の愛称で呼ばれています。
C57128号は1940年(昭和15年)に生まれ、1973年播但線を最後に引退するまで、走行距離は2,235,421.4kmで、およそ地球を56周走ったことになります。
この車両は東海道本線などを走り、播但線を最後に昭和51年4月5日に科学館に展示用として設置されました。科学館が膳所本町の生涯学習センターに移転したのを機会に、平成3年、旧科学館の跡地の「遊びの森SL公園」に設置され、大津市SL愛好会で保守されながら多くの方々に見てもらっています。
大津市科学館
もともとが科学館の展示品だったので、「蒸気機関車のしくみ」についての解説板が充実していました。
機関車の中での水、火(熱)、蒸気の流れと、それを運動に変える仕組みが詳しく書かれており、短いけれどよく伝わる良文だと思います。
■蒸気機関車のしくみ
ボイラの火室内で石炭を燃焼させると、ボイラ内で水が沸とうし、高温・高圧の蒸気となります(C57形式の場合、約200℃、16気圧)。その爆発的エネルギーを有している蒸気を、シリンダー・ピストンによって往復運動に変え、更にクロスヘッド・主連棒を介して動輪の回転運動に変えられ、走り装置によって蒸気機関車は走行します。
大津市科学館
広場は、とくに言うこともない土敷きの広場です。
県立体育館の前庭にあたるので、もう少しみんなが落ち着けるような仕立てがあっても良かったように思います。
その広場の一角には、薬害ヤコブ病の訴訟和解を経て建立された「薬害根絶の碑」がありました。
どういう経緯でこの公園に設置されることになったのかは、よく知りません。
一方、機関車を挟んだ東側が遊具コーナーになっています。
2つの石の山遊具を上手に並べて、デザイン的にも面白いものです。
白い方の山は人研ぎの滑り台。階段で頂上まで登れるようになっています。
緑の山はロッククライミング用。かすがいに掴まって登ります。
そして、こちらの山には、なぜか鉄棒が生えています。
しかし鉄棒の下にも、かすがいが入っていて、両方の遊具を上手に使いこなすのは難しそうです。
けっこう盛りだくさんな遊びの森SL公園でした。
(2019年6月訪問)
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