野球場やテニスコート、体験学習施設などがあり、どちらかと言えばスポーツ向けの公園ですが、平和慰霊塔などもあって、茅ヶ崎市の中心的な公園のひとつだと言えます。
数年前に大きくリニューアルされたようで、以前はテニスコートだった場所に会議室や学習室などを備えた複合施設「うみかぜテラス」が、逆に古い青少年会館があった場所に新しいテニスコートができたそうです。
こちらが、うみかぜテラスの外観。
中には入りませんでしたが、外回りにもテラス席があって、通常の公園利用者も休めるようになっています。
こちらは、うみかぜテラスの付帯施設という形になっている「オリーブ広場」。周りよりも下がった位置に作られた、人工芝の多目的施設です。
仕立てはフットサルコート１面になっていますが、赤いコーンで細かく区切って貸し出しをしているようです。よほど人気の施設なのでしょう。
それに比べると外野天然芝の野球場は、どんなに大きくても野球にしか使えないわけですから、贅沢な施設だと言えます。
サザン・オールスターズのコンサート会場になったことはあるそうですが。
そして、こちらが新しくなったテニスコート。
全天候型の砂入り人工芝タイプですが、放っておいても海から飛んでくる砂が補充されていくように思うのです。
そうした大型施設に囲まれた中央部に、マツの樹の下の遊具広場があります。
中心にドンっと据えられているのは、大きな盛土山。
頂上に東屋を、斜面には研ぎ出し滑り台を備えています。
おそらく数年前のリニューアル時に追加されたと思われるクジラの滑り台。歴史ある盛土山とは異なる、いかにも現代的な風合いです。
もう一つ目立っているのは、帆船をイメージさせるデザインの複合遊具。
でも大きな岩登りくっついているため、座礁しているようにも見えます。
これは幼児向けの「ごっこ遊び」ができる遊具ですが、今どきのキッチンカーでしょうか、自動車の横にカウンターが付いています。
子どもたちが気になる車というものも、時代とともに移り変わるのですね。
そして、遊具と呼んで良いものか迷いますが、茅ヶ崎市内を走るコミュニティバス「えぼし号」も設置されていました。
新しいものと古いものが入り混じっている遊具広場ですが、その変化を見守っているのは「友情」と題する銅像。1979年（昭和54年）の国際児童年を記念したものだそうです。
ゴダイゴの「ビューティフル・ネーム」ですね。
■現地の碑文より
国際児童年を記念し21世紀の担い手としての自覚を高め、未来の夢を青少年に託し、茅ヶ崎ライオンズクラブの寄贈によりここに記念碑を建設する。
1979 茅ヶ崎市
現地の解説板によれば、もともとは高さ19メートル、おそらくコンクリート製の慰霊塔があったそうですが、2007年（平成19年）に今のものに建て替えられたそうです。
建て替えの理由までは書かれていませんでしたが、おそらくは老朽化して危険になったから。近年、全国あちこちで数十年前に建てられた慰霊塔が老朽化していますが、それらに先駆けて対策をとったことは、先見の明があったと言えましょう。
■現地の解説板より「平和慰霊塔の記憶」
茅ヶ崎市民は明治以来幾たびかの戦争において祖国の興隆を信じて参戦され、尊い生命を捧げられた犠牲者の御霊を慰め、そのご冥福を祈るためここ茅ヶ崎公園に市民の浄財と市費をもってこの塔を建立した。
旧平和慰霊塔は、昭和39年9月に茅ヶ崎市遺族互助会から「明治、大正、昭和の各戦争で戦没された御霊に尊敬と感謝の念を込めて追悼するために建立し、長く御霊を顕彰したい」という陳情書が提出され採択となり、市はこれを受け、建立場所を茅ヶ崎公園内に決定し、戦没された御霊を慰めるため昭和42年3月に建立されました。
約19メートルの高さにそびえ立つこの塔には、世界平和実現と明治以降の戦没犠牲者の冥福を祈る思いがこめられ、塔の台座には、東寺の野村宣市長、深川六郎助役による碑文が刻み込まれ、那智石を敷き詰めた塔の周辺の表面には、太平洋諸島の島々が円形でかたどられていました。
平成19年に立て替えによって取り壊しが実施されるまでの約40年間、戦没者の方々の慰霊する場、集いができる場、時代に平和の尊さを伝える場として一役担った施設となっていました。
どこまで行っても砂まじりの茅ヶ崎公園でした。
（2019年7月訪問）
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