海老江地区にある「えびえにし防災広場」もその一つ。ちなみに変換ミスではなく、正式名称が平仮名書き。避難場所でもあるので、子供でも外国人でも読みやすいように漢字を避けたのではないかと想像します。
間口が6~7メートル、奥行きが40メートルほどの細長い敷地です。片方の隣がこども園、反対側の隣が現状空地なのですが、両側とも高いフェンスで隔てられており、とくに災害時の連携などは考慮されていないようです。
園内に入ると、まずはパーゴラ。普段はフジの花を眺めることができ、災害時にはシートを被せれば部屋のように使えるという物件です。
上写真で柱とボックスだけが見えているのが、ソーラー式の照明器具。災害時にはスマホの充電もできます。
さらに進むと、座板を外せばカマドに早変わりするかまどベンチ。防災施設としては定番です。
こちらの畑もいちおう防災設備。いざという時には、そのときに育てている野菜を食べることができます。
いちばん奥には、普段はステージ、災害時にはトラックからの荷降ろしに使うというスペースがあります。
敷地の一番奥に荷降ろし場があると、トラックが入るたびに園内にいる人全員が動かねばならないので、なぜこの位置なのか大いに疑問なのですが、きっと何か理由があるのでしょう。
そもそも、この隙間に入ってこられる2トンくらいのトラックは、箱の後ろドアから荷を出し入れするタイプのものが多いので、このような横付け構造ではあまり意味がないようにも思います。荷台に箱の付いていない平台トラックなら横からも降ろせるのですが。
さらに、ステージの一番奥に井戸ポンプがあるのも不思議です。もっと入口の近くで、汲んだ水を運びやすいところに配置したらいいのに。
ちなみに災害時の利用イメージは、大阪市の資料からの引用です。
災害時の利用イメージ 大阪市の報道発表資料より引用 |
と、このようにさながら十徳ナイフのように様々な設備が詰め込まれた防災広場なのですが、私自身はこういうタイプの整備には疑問を感じます。
「地震災害時には、1000平米にも満たない小規模な公園でも意外に様々な使い方ができて、とても役に立った」というのは1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災で得られた教訓なのですが、それはオープンスペースとしての自由度の高さがあったからこその話で、設備があったからではないと思うのです。
とくにこの場所のように、間口が狭く奥行きが長く、奥に通り抜けもできない三方塞がりの敷地に設備を詰め込んでも、けっきょくどれも上手に使えないことが想像されます。ならば、避難場所としての機能に絞った方が良いように考えます。
いつか来る災害に備えて、もう少し敷地が広がって使いやすくなることを期待するえびえにし防災広場でした。
(2018年6月訪問)
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