1715/1000 城の下公園(神戸市灘区)

2018/02/15

神戸市灘区 身近な公園 兵庫県

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神戸市灘区の町名「城の下」は、鎌倉時代末に円心赤松則村が立て籠もって六波羅探題の軍勢を打ち破った摩耶山城の下にあることから付いた地名だと言われます。
そんな城の下通でも最上部、六甲山の森まであと15メートルくらいの場所に城の下公園があります。

上の写真でエントランスの石敷き部分が傾いて見えるのは、目の錯覚ではありません。
こんな風に急な坂道に面しているので、実際にエントランスが歪んでいるのです。

もう少し角度がわかる向きで撮影すると、こんな感じ。ざっくりと4メートル幅の間に1メートル弱くらいの高低差がついているのではないでしょうか。

ちなみに、さらに2メートルほど坂を登った所に、もう一つの出入口もあります。
この距離であえて2つも出入口を付ける意味がよくわかりませんが、きっと「公園の出入口は2つ以上作るべし」という原則ルールが適用されてのことでしょう。

さて、そんな傾いた出入口から園内に入ると、そこはさすがに平らになっています。

目立つ施設はなく、広場の奥に東屋と水飲み場があるくらいです。

小さな公園で少ない施設を有効に使っているのは、植栽の植込み枠がベンチ状になっていて、どこでも座ることができるようになっている点。
作るときにどこまで意識していたのかはわかりませんが、最近の公園は座りやすい場所を減らす傾向にあるので、これは良い構造です。

公園の隣の家と向かいのマンションが山沿い市街地のてっぺんにあたるので、ここから上はもう山の領域です。

ところで、現在の城の下公園から少し下がったバス道沿いには、戦後しばらくまで「青谷園」と呼ばれた風光明媚な園地があり、青谷川対岸の青谷温泉とセットで小さな観光地になっていたそうです。
いつもお世話になっている日文研の地図データベースで、1924年(大正13年)の『神戸市地圖 : 付西灘村』を見ると、裏面の観光案内に青谷園のことが出ていました。

青谷遊園地及び温泉:「上筒井終点より左に官立神戸高等商業学校を見て、右に関西学院を見つつ、北上すること三丁余にして、松林の間に青谷温泉に達す。此の地高台にして眺望良し。之より東方の山麓一帯を青谷遊園地となす。春は桜、夏は緑陰、秋は紅葉と各季節の趣あり。大小数個の池あり。風致を添う遊山地として良し。」
上記の引用文では青谷遊園地と呼ばれていますが、国土地理院の地形図では1923年(大正12年)は小林公園、その後1947年(昭和22年)のものには青谷園と記載されていました。
1924年の「青谷園」と1947年の「青谷遊園地」は同じものだと思うのですが、1923年の「小林公園」は少し違うようにも思います。「小林さんの開いた小林公園が、経営者が代わって地名からとった青谷園になった」などのストーリーがあったのだろうと想像しますが、そのうち詳しいことを調べてみたい城の下公園でした。

(2017年12月訪問)

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