798/1000 哲学堂公園(東京都中野区・新宿区)

2014/09/22

身近な公園 中野区 東京都 名勝

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哲学堂公園は、後に東洋大学となる哲学館の創設者、そして妖怪博士として知られる明治の哲学者・井上円了が教育、あるいは思索・修養のために設けた哲学堂(四聖堂)その他の建物や庭園などが、円了の死後、東京都に寄付されて公園となったものです。

円了の後を引き継いでいた財団法人から都に寄付の申し出があったのは太平洋戦争中の1943年(昭和18年)のことで、その頃には首都防衛のための防空空地に指定されて軍施設が建設されるといった話も出ていたために、軍と対等に話し合って堂宇を守るために都への寄付が急がれたそうです。
また、戦後は周辺の農家から「公園を畑地として解放せよ」といった要求もあったようですが、都の関係者、地元の旧家の当主などが粘り強く交渉し、なんとか守ることができたとのことです(参考:前島康彦,『東京公園文庫21 哲学堂公園』,1980)。

そうした先人たちの努力の甲斐あって、かつての哲学堂の姿から、そう大きくは変わらない状態が守られており、都の名勝にも指定されています。

その中心をなすのは、四聖堂(哲学堂)、六賢台、宇宙館、哲理門などのある山上です。
ひとつひとつは決して大きな建物ではないのですが、それぞれに意味と役割が込められており、円了の捉えた哲学世界を視覚的に表現しているそうです。
とはいえ、こちらは哲学というジャンルにまったく明るくないので、聞いたことを鵜呑みにするしかないのですが。

なかでも哲理門(通称:幽霊門)は、子供の頃から色々な本で「普通なら仁王様がいるところに幽霊と天狗がいる門」だと読んで、「東大寺ほど大きくはないだろうけど、身の丈数メートルの幽霊と天狗がいる」と勝手に思い込んでいたのですが、実物は門自体が高さ3.5メートルほどでちょっとした御屋敷の門よりも小さいくらい、幽霊・天狗も1メートルほどのものでした。
ガッカリではないけれど、ちょっと拍子抜け。

天狗はまだしも、幽霊は普通の長髪の普通のおじさんだし(笑)。

それ以外にも、グラウンドやテニスコート、遊具広場、菖蒲池などもあって、なかなか楽しめます。

ちなみに公園の中を区境が通っており、菖蒲池付近は新宿区に入っています。

中野区役所による公園紹介ページ

(2014年8月訪問)

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