4214/1000 東八ツ山公園(東京都品川区、港区)

2026/04/14

港区 身近な公園 東京都 品川区

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さて、ネットやテレビで、時々で思い出したように「品川駅は、品川区ではなく隣の港区にある」という話題が出ますが、それだけでなく品川駅の南~東あたりは、長年の埋立ての関係で両区境が入り組んでおり、道路境界などでスパッと分かれていないところが多々あります。

東八ツ山公園もそのうちのひとつで、公園の真ん中を区境が通っています。それは、この土地が生み出された歴史に関係があり、ここは元々、運河だったのです。

国土地理院の電子国土Webで公開されている1945~1950年の空中写真と、現在の地図を重ね合わせるとよくわかりますが、この頃には、現在の高浜運河(右端の南北の水路)から西の目黒川河口付近を経て、品川駅東口の貨物線に接続する入江がありました。高度成長期までは、まだ鉄道輸送と舟運の接続が重要だったからです。
この入江の入口にあたる部分が埋め立てられ、下図に赤枠を付けたところが公園になったため、今も公園の真ん中を区境が通っているのです。

電子国土Webよりキャプチャ

ということで、品川区側の東八ツ山公園。品川宿の歴史を意識させる、石造・縦書きの園名標柱です。

こちらは港区側の東八ツ山公園。港区らしい軽やかなデザイン、国際性にも配慮された英名入りで、こんなところにも両区の考え方の違いが出ています。

園内に入れば、とくに区境を意識することはないのですが、奥に見えるトイレは品川区のもの。トイレが変に汚れている時は、品川区役所に連絡しないといけません。

こちらの遊具は港区のもの。遊具が傷んでいることを発見した時は、港区役所か指定管理者に教えてあげないといけません。

なので、遊具の案内板には港区役所の電話番号入り。

フェンスに囲まれたボール遊び場は、港区の施設。

ですので、「営利目的利用の禁止」貼り紙は、港区名義です。

花壇は品川区側にあるので、品川区から「花をとらないで」とお願いされます。

区域は分かれていても、日々の清掃や施設管理などは一緒にする方が効率的なので、一方の区がもう一方に委託するという可能性もあります。しかし花壇には「品川区が管理しています」とハッキリ書かれているので、公式な文書で調べてみると、港区の指定管理業務の発注書類がHPに掲載されていました。
...思いっきり、スパッと区界で分かれていますね。

港区『芝浦港南地区港区立公園・児童遊園管理区域平面図』より

こうなってくると「公園全体の注意看板はどうなっているのだろう」と考えてしまいます。
注意看板には各自治体の個性が出るものですが、じつは品川区と港区のものとは、元々ちょっと似たデザインです。

下は品川区の注意看板の例ですが(No.1962 小関橋公園)、注意事項が6つあって、それぞれのイラストを角丸四角囲みにしています。また、公園名が入っておらず、上部に男の子と女の子が並ぶイラストが入ります。

No.1962 小関橋公園の注意看板

こちらは港区の注意看板の例(No.1118 浜松町4丁目児童遊園)。イラストの雰囲気は違うものの、6つの角丸四角囲みという点が似ています。また、板面に公園名や区役所の連絡先が入ります。

No.1118 浜松町4丁目児童遊園の注意看板

では、この公園の注意看板はどうなっているかと言うと、なんと両者の特徴をあわせた折衷タイプになっているのです。
品川区側の注意看板には、男女ペアがいなくなり、代わりに公園名が大きく記されています。そしてイラストも、くずかごや、ベッドで寝ている子供が港区様式のものになっています。

こちらは港区側の注意看板。板面全体のデザインが品川区様式に寄せられています。
初期の注意看板を作る時期には、両区が話し合って、「利用する人が迷わないようにしよう」と考えたのではないでしょうか。
ただ、時代とともに、それぞれが看板を増やしていくうちに、相手に合わせることをしなくなったように感じます。

なにかにつけて、境界付近の楽しさがある東八ツ山公園でした。

(2025年12月訪問)

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