少し変わった名前の千亀利(ちきり)公園は、別名・千亀利城と呼ばれる岸和田城跡の中心部を公園としたものです。
城跡内にはほかにも市役所や高校、住宅などがあり、また本丸と二の丸の間を車も通行できる一般道が入っているなど色々と厳しい条件もあるにはありますが、江戸時代から残る堀と石垣、模擬天守、そして公園の緑が一体となって、なんとか歴史的なたたずまいを醸し出しています。
天守は江戸時代に落雷で消失しており、現在の天守閣は1954年(昭和29年)に建造された鉄筋コンクリート製の模擬天守。本来は五層だったそうですが、再建にあたっては予算不足で三層になったとか。建物内は有料の展示施設になっています。
櫓や門も明治維新の際に破壊されたため、近世以前の構造物は堀と石垣くらいだそうです。
ちなみに、岸和田市のホームページによれば「平成19年4月1日より岸和田城が観光施設として生まれ変わりました」とのことなので、市としては文化財としてどうこうしようという認識は強くないのかも知れません。
●岸和田市のHPより「岸和田城」
本丸部分は有料施設なので、公園として自由に憩えるフリースペースは、最近整備された二の丸広場が中心となります。
写真で見ると芝生の中に松が多すぎるようにも見えますが、実際に行ってみるとそれほどでもなく、広場として遊んだりイベントに使ったりできるようになっています。
ただ、やはり広場と天守閣の間を普通に車が通っているため、どうにも落ち着かない気分は拭えません。イベントの時などは車両通行止めになるのでしょうか?
もう一ヵ所、市役所建物のすぐ隣に遊具広場があり、ブランコ、滑り台、揺れる動物などが設置されています。
お城の石垣と堀をバックにブランコ遊びという光景は、あまり見られないものです。
ちなみにブランコの背景に写っている櫓も再建された模擬なので、裏(二の丸広場側)に回るとトイレになっています。
この公園の隣というか、同じ岸和田城の郭内には、戦前につくられた「五風荘」の和風建築と庭園があります。所有は岸和田市なのですが、現在は外食チェーンの「がんこ」が指定管理者として入っており、お求めやすい価格で建物やお庭を楽しみつつ食事ができます。
(2014年3月訪問)
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