柏市南部にある中原防災公園は、平成の初め頃までは民間の牧場だった場所です。そこが廃業を決めたことで、近くの皆さんが緑や環境を守り育てる活動を始め、それが実って市が用地を買収し、防災公園として整備されました。
現在は、約4.8haの敷地の大半が、元地形を活かした草敷きの広場と樹林地で、その中に防災設備がいくつか仕込まれているような格好です。
防災公園として見ると、災害時の緊急輸送道路からは離れており、2車線道路に接するのは1ヵ所だけ、そこも間口が狭いといった特徴があるので、物資集配や支援拠点というよりは、ご近所の方々が逃げ込んでくる広域避難場所の性格が強い公園です。そこで、出入口付近には避難者を支えるための防災設備がいくつか整備されています。
しかし、木立の下に100基以上のマンホールトイレがずらりと並ぶのは、なかなか尋常ではない光景です。「同時滞在1万人以上の想定なのかな」と思うのですが、いささか机上の計算が先走っていないかと心配になるほどです。
日本赤十字社の備蓄倉庫は、公園のエントランス横にあるにしては、ちょっと機能的すぎるというか、なんというか。災害に備えるのは大切ですが、それまでは何十年か公園内にあるわけですから、もう少し美観にも配慮して欲しいものです。
まぁでも、市の防災倉庫も、なかなか苦しいところです。
「緑の景色に馴染む木造にしたい」という思いと、「でも倉庫なので、扉はシャッター」というところで悩まれたと思うのですが、せめてシャッターを茶色にするくらいの折り合いが付けられなかったものかと考えます。
本来は、このトイレとデザインを合わせていたのでしょうが、なかなかうまく行かないものです。
市の防災倉庫の前あたり、“まきば広場”と名付けられた一角では、市民ボランティアの皆さんが花や野菜を育てています。
入口の案内板で名前を見た時は、「ウシはもういないだろうけど、ヤギかヒツジくらいを飼っているのかな?」と思ったのですが、そういう意味あいでのネーミングでは無いようです。
資料によれば、ここの地下には雨水貯留槽が埋まっているらしいので、直接的にはそれが防災施設ですが、畑で野菜を育てていると、いざという災害の時に食べることができるので、その点からも防災施設だと言えましょう。
そして、この出入口付近を離れると、あとは一面の広場と、それを囲む樹林帯、そして広場と樹林帯の間を一周する園路がおもな施設です。
周囲が宅地化されたところに後から公園をつくったことと、防災公園として周囲からの延焼防止を果たさねばならないこととで、外周の樹林帯がかなり分厚く作られています。
「防火樹」を意識しすぎると、燃えにくい常緑樹が中心になりがちなのですが、ここの場合は元からの大きめの落葉広葉樹もありますし、それに加えて公園整備の際に植えられたと思しき各種のサクラ、モミジ、コブシなどの花木、紅葉木なども多く、季節ごとに楽しめそうです。
園路沿いには、思い出したようにアスレチック遊具が置かれていますが、これだけを目当てに訪ねてくるほどの規模のものではありません。
木製遊具があるあたりから西側の住宅地にかけては、4~5メートルほどの高低差がありますので、公園側から土砂や水が一気に流れ出ないように、自然草地仕立ての調整池をつくってあります。
風景を残し育てるために、関係者の皆さんが頑張ったことをもっと伝えていきたい中原ふれあい防災公園でした。
(2026年5月訪問)














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